創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   付き合い不足の日本人たちへ   ミニまろ

 「お宅のうちの息子さんはまったく……。」「あら、あなたのおうちの娘さんだってねえ……。」(書き出しの工夫)と、あなたのお母さんとお隣のうちのお母さんは争っていないだろうか? 今時、山や森の中でひっそりと孤立して住んでいる人はあまりいないだろう(笑)。(ユーモア)たいていの人はマンションやアパート、一軒家ならば住宅地に住んでいて、嫌でも近所づきあいというものはあるはずだ。近所づきあいと言えば、例えば家のドアの前でお母さんが何人か群がって井戸端会議をしたり、お隣さんに晩御飯のオカズをおすそ分けしにいったり、時にはどこかの家に集まってすきやきパーティをしたり……と様々な交流の形があるだろう。しかしこういった良いつきあいもあれば、時にはお互い意見が食い違って争いが生じることもある。そうなった場合に、あなたならどのようにして争いを治めるだろうか? 争いを治めるには、両者がお互いを理解し合い、納得のいく結果にならなくてはならない。また余計な争いをするよりはお互い話し合って「喧嘩両成敗」(名言)と下手に白黒付けないことだ。(当為の主題)
 第一の方法は、近隣同士で普段から交流を深めて話し合える環境を作っておくことだ。(第一の理由)ニュースで流れる殺人事件にも友人同士のただの言い争いが大喧嘩にまで発展し、腹いせに相手を殺してしまうというケースも少なくない。(体験実例)この事件については友人同士のコミュニケーション不足が原因だと思うのだ。ちゃんとお互い冷静に向き合って話し合える仲ならば、こんな殺人事件を引き起こすほどの騒ぎにはならなかったはずである。私が思うに、現代の日本人たちは相手に自分の想いや考えを知られることを嫌い、互いにあまり探りを入れることがなくなったのである。しかし、こういったコミュニケーション不足が人間同士の意見のすれ違いを生む直接の原因となっていると言っても、もはや過言ではないだろう。
 第二の方法は、争いが起こっても「誰が悪いのか」にこだわらず、どうしたら今後このような争いが起こらないのか」を考えていくことだ。(第二の理由)今は学校の教育の上でも、この対策はとられていると言える。例えば教室の窓ガラスが誰かの手によって割られていたところを先生が見つけたとする。しかしなかなか犯人の生徒は名乗り出てこない。そういったときに先生は次にこう言う。「わかりました。先生はもうこれ以上犯人探しはしません。こういった騒ぎが起きたことで、その本人がしっかり反省して二度とこのようなことを繰り返さないことを決意してくれればいいのです。では次にクラスのみんなでどうしたらこのようなことを今後繰り返さなくなるか話し合いましょう……」先生がこのような対策をとるのは、自分の生徒を心から信頼してくれているためである。だから犯人の生徒も先生のことを信頼することができ、自分のしたことをしっかり反省できるし、二度と同じ騒ぎを起こすまいと決意できるのである。前記の方法とまとめると、要はお互い必要とすべきなのは人と人の間の信頼関係を築くことなのである。
 確かに争いごとが起きた際は、誰が悪いのかを白黒付けたほうがはっきりしていてお互いに気持ちの落ち着きを取り戻せる場合が多いかも知れない。(反対意見への理解)しかし、人というものは永遠に互いに助け合っていくべき生き物であり、こんなひと時の争いごとにこだわって、いちいち仲をこじらせている場合ではないのである。たとえどんなにお互いを理解し合っているつもりでいても、何かの拍子に大きな争いごとが起こることも大いに考えられるのだ。その対策法として、もっ
と今まで以上に相手と分かり合っていこうとする精神がたいせつである。(当為の主題)

   講評   nara

 いい題名だね。日本人の場合、古くから「言わないでもわかる」間柄をよしとしてきたところがある。一見、なかよくやっているようでも、本当の意味では付き合っていないあったのだろうね。向き合ってお互いの考えを述べて、ということをせずに、心にたまったものが内側で増殖していく……なので、感情が表に出たときには既に時遅しとなっていることも多いのではないかと推測できそうだ。
 第一方法:「現代の日本人たちは……」というところは、なるほどそのとおりだと思ったよ。では、このような状況に陥った理由は何だろう。
 第二方法:ここは説得力があるなぁ。今の世の中には、「犯人探し」を煽るような雰囲気が、どことなく感じられるね。そして、「自分は違う」と主張する。これは結果として、お互いを探り合い信頼関係を損なうことにつながるね。
 二つの方法から「信頼関係を築く」という大きな方針が導き出されたけれど、それは残念ながら「信頼関係が崩れている」ということの証明でもあるわけだ。日本的な従来のものの考え方と、社会の変化、欧米の個人主義の影響などがうまく噛み合っていない状態なのだろうね。進級テストは合格。文化祭など、学校行事が忙しい中、よくがんばった。

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