国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   幸福の確立   

 ぼくらには「他者の他者」としてはじめてじぶんを経験できるというところがある。ぼくらはじぶんをだれかある他人にとって意味のある存在として確認できてはじめて、じぶんの存在を実感できるということだ。ぼくがそばにいないとあのひとはだめになる、何もできないけれどただそばにいるだけであのひとは安心していられる、ぼくが病気かなんかで欠席するととたんにクラスは活気がなくなる……理由はなんでもいいのだ。要するにじぶんの存在が他者にとってわずかでも意味があること、そのことを感じられるかぎり、ひとはじぶんを見失わないでいられる。
人は他者を通して初めて自分を確認できる。そして人はそれをする際に『否定』という行為をすることが多い。否定により自分を確立させる。しかし私は、『否定』よりも『認める』ことで自分を確立させるべきだと思う。
 その第一の理由に、否定による自己確立ばかりでは人は成長できないというのがある。テストの点が悪いと、大抵の親は子供を叱るだろう。私の母も物凄く怒る。テストの点が悪くて落ち込んでいる上にそんな頭ごなしに叱られては、イライラしてくる。そして、子供の気持ちも考えずに怒るなんて酷い親だ!と、悪いのは全部親ということにしてしまうのだ。そうすれば、気分は少しスッキリする。しかし、勉強しなかったという自分のマイナス面が見えにくくなる。そうするとまた悪い点数を取り、振り出しに戻ってしまう。最近それに漸く懲りた私は、しっかり母の叱咤(もとい意見)を聞いてみた。母の言っていることは正しいと認め、自分を見つめ直してみる。そうしたら自分のマイナス面が見え、それを直しテストの点数を上げることができた。他人を否定してばかりでは、自分を確立することはできても、自分をしっかり見ることは難しい。
 第二の理由に、否定をすれば傷つく人が出てくるということだ。昔友達と本屋に言ったとき、友達が「私この○○っていう漫画嫌い」と言った。そのとき私はその台詞軽く受け流しただけだった。しかし数日後、彼女は私の部屋の本棚を見て驚くことになる。そこには、○○が全巻置いてあったのだ。……はい、大ファンです。暫く気まずい沈黙が続く。どうにかこの沈黙を乗り越えようとした友達は、私の本棚からあるものを見つけた。「あ、△△好きなの?私も大好きなんだ。」「え、本当?」私達には△△という共通の好みがあったのだ。私達は△△についてたくさん語りあった。人を否定をすれば、自己回復はできても相手が傷付く。例えば喧嘩は、お互いに自己回復するが同時にお互い傷付け合う。そうではなくお互いを認め合えば、傷付いたり傷付けたりしなくても自己を確立できるだろう。
 確かに、否定することも大事である。否定することで自己は確立できるし場合によっては相手も悪いところを直せるかもしれない。しかし大抵は否定することによって誰かが傷付く。『私たちの幸福が、ほかの人びとの不幸に支えられているのであってはならない。』という言葉がある。自分を確立するために、ほかの人が傷付く何てあってはならない。自分も相手も幸福になれる、そんな真の『認め合い』をみんなができるようになればなと思う。

   講評   nane

 かうみさんは、内省的だね。お母さんの小言に対して反発するよりも、まず自分をふりかえろうという姿勢は立派。いつも実行できるわけでなくても、そういうことを意識するだけで、自分の進歩が違ってくる。これからの人生でも、いろいろ新しい体験があると思うけど、最初はまずその新しいことを受け入れてみることが大切だろうね。
 第二の理由の具体例が面白い。何の漫画かなあ。先生も、この前、子供が古本屋から買ってきた「稲中卓球部」を読んだけど、非常にくだらない漫画だった(笑)。でも、アマゾンなどで見ると、熱烈なファンがいるらしい。確かに、ユニークな漫画だったけど。
 名言もうまく入れた。
 全体の構成がわかりやすい。
 今後は、自分の体験以外に、読んだ本などの中から社会実例を探していくといいよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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