国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然   シュシュ

 旅行でグアムに行ったとき、ホテルの近くの海ではなく、少し遠いけれど自然のままの綺麗な海へわざわざ海水浴に行った。海水は透き通っていて、砂浜は真っ白だった。素晴らしい海だったが、近くにあったトイレは最悪だった。掘っ立て小屋のような汚い小屋で、ドアもあるのかないのかよくわからないものだった。自然の中で暮らすということはこのようなことである。だから、今の社会にある「自然的」であることを強調しているキャンペーンなどに対して、偽善ではないかと感じる気持ちも私は理解できる。しかし、それを批判するだけでは問題だ。自然に対する放任と管理の間にある新しい自然との付き合い方を見つける努力を、私たちはしなければならない。
 それに対するの第一の対策は、自然を守るだけでなく、新しい自然を作ってゆくことである。少し前に新聞の記事で、ビルの屋上にジャングルを作った人のことが紹介されていた。初めは小さな畑だったものが、食べたオレンジの種をそのへんに捨てたらいつのまにか大きな木に育っていたりと、ものすごいジャングルのようになってしまったそうだ。人工的な場所に、自然を根付かせるのは大変そうに思えるかもしれないが、このようにきっかけを人間が作れば、自然本来の力で緑を増やすことはできると思う。遠い国の砂漠を緑化することを、私たちが身近に考えることは難しいかもしれないが、都会の中に少し自然を作っていこうと思うことならもっと簡単にできるのではないだろうか。私の家の庭も、一時は人工的に手入れがなされ整然としていたが、今では誰も手入れをしなくなったために、よくわからない草花がぐんぐん成長していて、ある意味ではとても自然な状態になっている。
 第二の対策は、様々な立場にいる人が自然についての意見を交わす場をつくることである。昨日ニュースで、石原都知事がツバルに視察へ行き、地球温暖化に対して日本ができることを考えたという報道を見た。このように、開発を行い自然を破壊する側と、その影響を受ける側が対話をすることは大切だと思う。知事は、日本の技術でツバルが沈まないように防波堤を作るなどの処置をすることが可能だと言っていたが、技術によって自然を破壊することだけではなく、自然を守ることもできることを忘れてはならない。
 確かに、現在の自然保護は、先進国の主導で進められているものが多い。しかし、途上国も含めた人間全体によって自然に対する新しいかかわり方を模索してゆくことが必要である。自然との付き合いは、遠い国にある熱帯雨林や野生動物とのだけのものではなく、自分が今まさに生活している場とのものでもあるのだ。

   講評   nane

 グアムの話は、実感のこもった例(笑)。まあ、大自然だから、トイレなどなくてもいいんだろうけどね。
 この問題提起の仕方を覚えておこう。単に賛成でも反対でもなく、両者を総合化するぐらいの提案を考えるというのが大事。
 自然を作るという考えは前向き。自然を守れというよりも、やる気が出る。「私の家の庭も……」がおもしろい。よくわからない草花を育てているんだね。
 地球温暖化と二酸化炭素の関係も、最近は、非科学的だという批判も出ている。こういうことをオープンに議論することが大切。
 「自然との付き合いは、遠い国にある熱帯雨林や野生動物とのだけのものではなく、自分が今まさに生活している場とのものでもあるのだ」は、いい名言。この発想をこれからも生かそう。

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