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　　　人間の自己家畜化（清書）　　　空

　家畜やペットは人間に飼われていて自由ではないが、その人間も決して自由とはいえない。人間は、いわば社会システムに飼育されているといえるだろう。さらに、現代の青年や子どもは、その「自己家畜化」が「自己ペット化」にまで進んでいる。
　しかし、やはり人間にはある程度の自己家畜化は必要だ。
　その理由は第一に、これだけ集団で暮らしている世の中で一人一人が好き勝手に過ごすと、大きな損傷が出てしまうからだ。例えば誰も働かなくなったとして、電車が動かなかったり、店が営業されなくなるのはまだいい。だが、人の生死を握る病院などが運営されなかったらとても困ったことになるだろう。家では、母親が料理も作ってくれないかもしれない。政府も会社も店も学校も誰も働かなければ、世の中はどんどん乱れていくだろう。現代社会では一人一人が社会を支える役目を持っていて、お互いに協力することで秩序のある安定な生活を保てているのだと思う。
　第二に、自由気ままな生活を送ることで、時間の大切さや、時間を有効に使おうという気持ちがなくなるからだ。私たちは、学校や会社などで縛られることの無い時間を、遊んだり寝たり本を読んだりして自由に楽しく過ごすと思う。それは裏を返せば、縛られている時間があるからこそ自由を満喫できるのではないか。つまり、自由ではない時間があることで自由な時間を幸せだと感じるからこそ、限りある時間を大切にして有効に過ごすことができるのだ。しかし、毎日が何にも縛られない自由な時間の延長だったら、活動と休みのけじめがつけられなくなり、不規則・不健康な生活を送って結局自分のためにはならないと思う。これは、今問題となっている引きこもりに対してもいえることだろう。
　確かに、自己家畜化をしない方が、人間は社会に依存しなくて良いのかもしれないし、その方が自由なのかもしれない。しかし、第二の理由であげたように、今人間が社会に依存しているからこそうまくいっている部分もある。私は、第二の理由に挙げた「寒さに震えたものほど太陽の暖かさを感じる」という名言のような時間の使い方のほうがメリハリがあって好きなので、やはりある程度は自己家畜化をするべきだと思う。

　　　講評　　　inoko

　空さん、こんにちは。
次回から新しい課題フォルダです。少しずつ目を通しておきましょう。