創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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スポーツ Dr.Km
私のバスケットボールチームは、一年に一度、三年生が引退して新チームになるときに、勝つために真剣に練習に取り組むチームか、ただ楽しくバスケットボールをするかというようなことをチームとして意見を一致させるためのミーティングをやる。今年のチームは皆声をそろえてこういった「真剣に練習してかつチームにしよう」。私のチームは皆、勝つことでスポーツの本当の楽しみが味わえる。という方針でいる。
私も、スポーツは一生懸命練習して勝つことに本当の意義があると思う。負けて、「あぁ、楽しかったなぁ」と言ってへらへらしているやつを見るとはっきり言って腹が立つ。勝ちたかったと思わないのか、負けて悔しくないのか?と聞きたくなる。勝ちたいとも思わないで、スポーツをやっていても、何も向上心が生まれず、進化できずで後退していくばかりであると思う。第一に負けることをやっていても、つまらないと思う。井上雄彦さんの描いた漫画の『リアル』の第一巻ですごく車椅子バスケのうまい人が所属していたチームでチームメイトが試合に負けて笑っているのを見て怒り、それから口論になりチームを脱するというシーンがある。そのチームではその主人公的な人物以外勝ちたいと思っていないようだ(第一巻では)。それもあって、力の差は歴然である。勝ちたいと言う執念の強い人ほど、プレーも上級なのである。このようにスポーツは勝ちたいと思うこと、勝つことに本当の意味があると思う。
しかし、皆で楽しくスポーツを楽しんだほうがいいという考え方もある。皆で楽しくリクリエーションをして交流を深めるときに、妙に熱くなって乱闘をはじめるようなシーンは見たことが無い。昔話でも「すずめときつつき」というお話がある。大昔すずめときつつきは、姉妹だった。二人はある日、着物をそれぞれ作っていた。作っている途中、お母さんの訃報が届く。すずめは、慌てて家を飛び出し母の元へと向かったが、きつつきは着物作りに夢中でそんなことお構いなしになっていた。すずめが母の元に着いてから数日経ってきつつきが到着した。しかし、きつつきは何も悲しむことなく、きれいに仕上がった着物を自慢するばかりであった。そこに神様が現れて、やさしいすずめには地味な柄でも米などを食べることを許されたが、きつつきには派手な柄でも食べるものは虫などしか許さなかった。この話のようにその場の雰囲気をしっかり把握して、ムードを壊さないことが大事なのだ。私も学校の球技大会で妙に熱くなってムードを悪くしてしまったようなことがあった(多分)。
総合化して言うと、スポーツで勝つために一生懸命になるのも大事であり、みんなで楽しくスポーツをするというのも大切である。そこで本当に大事なのは熱くなることだけでも、楽しむことだけでなく、その場の雰囲気を崩さないように気をつけることだと思う。「出来上がった規則を何とか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である。」という名言がある。このように自分の熱意をただ勝つことだけに使うのではなく、場の雰囲気に合わせて楽しんだり勝とうとしたりすることに使えることがそのスポーツを本当に愛しているという、証拠だと思う。
講評 miri
項目の用い方、バランス、文の流れ、どれをとっても、たいへんよくできています。特に体験からでた意見は説得力があります。
昔話「すずめときつつき」は、よく探しましたね。うまくあてはめました。
総合化もしっかりした主張になっています。「熱意」をキーワードにまとめた最後の文が特によいでしょう。
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