国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「あなたは今、幸福ですか?」   一休さん

 「あなたは今、幸福ですか?」この問いにすぐに答えを出せる人間がどれだけいようか。その場で深く悩みこんでしまう人がほとんどではないだろうか。二十世紀を主に生きた大人達の多くは憂鬱な顔をしてしまうだろう。大阪万国博覧会で抱いた「宇宙飛行士」「ノーベル賞を受賞する科学者」といった夢は潰え、リストラ社会に追われる今の自分を過去や未来に投影させてしまうだろう。私達人間は、社会を生きていく上で必然的に過去と現在、未来のことを繋げて考える。それ故に悩みやすく幸福を感じにくい。だから、私は人間は過去や未来といった時間軸を無くし、今の幸福を探し味わうべきであると思う。
 その第一の方法は自分は幸福であることを生きる前提とすることだ。この心構えを得るのは大変困難で、他人と比較して自分が不幸であるとどうしても考えてしまう。そこで、たとえ朝の星座占いがビリでも、鳩の糞が頭に当たっても、この星座占いは嘘の塊、私は鳩に好かれていると前向きに考えることが重大な鍵となる。前向きに考えることで人間にプラス作用が働くことは心理学的に証明されている。確かに試験を受けるとき、自分は駄目で不幸だと考え続けると低い点数になり、自分ができないで誰ができると考え続けると高い点数になることは統計的にも正しい。先ほどの例のように、少し許容すれば耐えられる事例であったら人間は皆幸福に浸っているだろう。しかし避けられない運命というものはあるもので、人生を大きく左右する出来事は起きる。交通事故や何万分の一という病気にかかることがそれにあたる。「どうして自分だけ」という悔しい不幸に直結しやすいこの運命でどのような影響を受けるかは本人次第であるが、大半の人は挫けてしまうだろう。ある人物は末期がんを宣告され余命が半年であることを知り、大層この世を惜しんだらしい。しかしこの人物は悲しみに溺れず己の身の状況をいち早く理解し受け入れ、自らに可能な事柄を成し遂げようと努力する生き方を選んだ。可能なこと、それは「余命を宣告されても元気に生きる自分をアピールし、世界の自分と同じ状況に置かれている人々を励ますこと」だった。そのためにこの人物は家族に支えられながら可能な限りマラソンを行った。この走りが誰かを励ましていると思い、その人物は幸福で満たされていたらしい。結果的に世界中からお礼や励ましの手紙が送られ、この人物は健康体そのものに変化した。人が当然のごとく感じる幸福によって奇跡が起こったのである。
 その第二の方法は幸福を祝うような社会の雰囲気を作り出すことだ。赤ちゃんの笑顔を見ると、見ている人まで笑うということがある。同様に人の誕生日や結婚式の話を聞くと、何故か聞いている人まで喜ばしくなる。このように他人の幸福は相互作用を起こし幸福を呼ぶ。ヨーロッパの貴族達は人々を招待して盛大なパーティーを度々催すが、あれはお互いの祝い事を喜び合い幸福をより深く味わっているのだ。(歴史)「明日は明日の風が吹く」のことわざのように、お互いに幸福を待つのではなく幸福を積極的に発掘することが大切である。
 確かに明るい未来を目指すことができる、すなわち進化の可能性を幸福とする人々もいるだろう。しかし、不確定な幸福ではなく現存する幸福を私は得たい。常に自分に付きまとう今という時間を不幸によって頭を悩ませるよりかは、幸福を感じて過ごした方が人生は明るい。「闇は暗いのではなく、光がないだけである」(名言)という言葉通り、幸福がないのではなく探そうとしないだけである。複雑で生きづらい社会の闇を取り払うのは自分自身だ。だから、私は今の幸福を探し求めて味わうべきである。

   講評   nane

 第一段落の状況実例が、適度に軟らかく硬い(笑)。「目指すのではなく、今を味わうべき」という心境には、実は高校生のころはまだなりにくい。しかし、こういう幸福感があると自覚していると、物事を別の視点から見ることができる。
 第二段落の方法は、よく考えた。自分の力でしっかり考えていることがわかる。不幸な状況に陥ると、つい「なぜ自分だけが」という気持ちになるけど、その状況を受け入れたとき、「そんな自分だからこそ」という勇気がわいてくるのかもしれないね。
 第二段落をじっくり書いたので、次の段落が短くなってしまったけど、幸福を祝う雰囲気という発想はいいね。
 「闇は暗いのではなく、光がないだけである」は、ちょっとわかりにくいが、言おうとしていることは理解できる。まず、光をともすということだね。

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