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　　　人と誤りにくい言葉　　　ミスターカービィ

　一般に、「ください。」とか「おねがいいたします。」とかいう依頼のことばや、「すみません。」とか「ゆるしてください。」とかいうようなわびのことばも、言いにくいものである。真実になってものを言うとき、そのことばはよく相手に通じるだけでなく、ことばのひびきもすがたもすっきりしてくるのである。
ぼくにも、似た話がある。僕の通っている小学校は、電車通学だ。もちろん、行きも帰りも。その事件は、ある日の帰りに起こった。ぼくは、Ｈ君とＫ君と仲良く帰っていたが、突然Ｈ君が僕のことをからかいにきた。ぼくは、しまいに怒って、Ｈ君を蹴った。すると、蹴ったとき、膝がＫ君の顔に当たってしまった。蹴ったときの威力がよっほ゜ど強かったのか、Ｋ君は鼻血を出してしまった。ぼくは、Ｋ君もＨ君と一緒にからかってきたので、なかなか謝る気になれなかった。
　次の日、ぼくは、いつもより２０分ほど速い電車に乗った。もちろん、Ｋ君に謝るためだ。初めに乗り換える駅でしばらく待っているとＫ君が乗った電車がきた。Ｋ君が降りてくると、ぼくは一気に緊張してきた。ぼくとＫ君は、しばらく楽しい話をした。そして、しばらく絶ってからぼくは、Ｋ君に
「昨日は、ごめんね。」
と、謝った。すると、Ｋ君は、昨日のことなんか忘れてしまったかのように、「別に、いいよ。全然気にしてないから。」
といってくれた。ぼくは、そのとき心の中にたまっていた煙のようなモヤモヤがすっきりしたような気がした。

　アメリカの初代大統領の「ジョージ・ワシントン」も、似たような経験をしたことがあるそうだ。ジョージ・ワシントンが子供のとき桜の木を斧で切ってしまったことを父親に正直に話したら、かえって誉められたというお話だ。ぼくがワシントンだったら、怒られるのが怖くて、何にもいえないだろう。
　ぼくは、この話を読んで、言いにくい言葉も勇気を持って口にすれば、人間としての真実が開け、相手にもよく伝わるし、言葉もすっきりするとわかった。

　　　講評　　　kira

　ミスターカービィくん、こんにちは。私たちは言葉を使って人とふれあいます。ときどき、その言葉で勇気を試される時があるのですね。
● 要約／感想文
　筆者の意見のいちばん大事なところを見つける事ができましたね。
● 前の話聞いた話
　友だちにからかわれて、がまんの限度を超えたのですね。ちょっと反撃にでたのが、思わぬ結果になってしまいました。お互いに気まずいまま分かれて帰ったのでしょう。
　次の日、謝ろうと心に決めていたミスターカービィくんも、その時がくると緊張してなかなか切り出せなかったのね。「ごめんね」の言葉で、きっとＫ君も心のわだかまりがとれたことでしょう。
　ワシントンのお話は有名ですが、お母さんから聞いたのかな。その話に出会ったいきさつも書けるといいね。
● たとえ● ことわざの引用
　「心の中にたまっていた煙のようなモヤモヤがすっきりしたような気がした。」とたとえました。一気にもやを消す言葉の力にあらためて感動しますね。
● わかったこと
「言いにくい言葉も勇気を持って口にすれば、人間としての真実が開け、相手にもよく伝わるし、言葉もすっきりする」と結論しました。このあとに、自分の心がけたことも入れてみよう。