創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   何でもよく知っていて   かかと

 どの学校でもそのうな人物は居ると思うが、授業中によく発言する人がいる。そういう人は大抵いろいろなことを知っていて、知識が豊富だ。いや、知識というよりも新聞やインターネットで見たものを学校で誰よりも早く広める人だ、と言ったほうがいいかもしれない。そして自分の知識というよりもおもてから持ってきたたくさんの最新情報を広く浅く知っている人のことを情報通という。情報通の友達と話しているととても楽しい。笑いが耐えないし、その子はきっと話し上手なんだなぁ、と思う。また、他の人が話している内容にもとても興味があるようで、自分の知らない話が持ち出されると、必要以上にしつこく聞いてくる。まあ、しつこいということを除けば聞き上手でもあるかもしれない。しかしあることでその聞き上手、話上手な子ががらっと変わってしまったことがあった。え、こいつは本当にさっきと同じ頭なのかと疑ってしまいたくなるくらいだ。私がそう思い始めたのは、クラスの中の一部の人間の間で揉め事が起きたときのことだった。加害者と被害者がいるような揉め事ではなく、些細な思い違いから生まれてしまった、お互いがぎくしゃくしたような感じの揉め事だった。その子はどうして問題が発生したのか、自分が何をしたのか、相手が何をしたのか、を考える前にさっさと結論を出してしまったのだ。出した結論は、無視しようというものだった。無視してもいい解決法が見つかるわけではない。一体こいつ、こんな方法でどう解決するんだろう、と私は悩んでしまった。が、結局問題がそんな方法で解決するわけもなく、今も仲違いしたままである。
 このような結果を出さないようにするためにも、簡単に手に入るような情報や知識とは別の何かが必要なのだと私は感じた。情報
だけあっても解決できないことや問題はたくさんある。むしろそのようなもので解決できないものの方が多いだろう。何の問題も解決できないような馬鹿な人間にならないためにも、情報以上に深く濃いものを身につけなくてはならない。そのような深く濃いものを知恵というのだと思う。情報と同じようにおもてから仕入れるようなものでも、知識や情報と違って、教養のある者から受け継ぐものが知恵なわけだ。また、物事を深く、濃く、そして冷静に見つめることによって見出したものには、必ずいい結果が出るだろう。
 だがしかし、情報化した社会で知恵だけを土台として生きることは非常に難しい。なぜなら、知恵だけでは得られないものが情報では意図も簡単に得られてしまうことがあるからだ。例えば、あの有名なタイタニック船は巨大な氷山に当たったことによって沈んだが、船長の不注意は別として、船を沈めない方法は知恵だけでは解決できなかったと思う。特に当時は今と比べて、情報は非常に乏しかっただろうし、コンピュータも普及していない。しかし今は違う。事前に海や空模様をコンピュータで調べ、客の安全を考えた上で出発する。客の信頼なしでは会社も経営できない。
このように、実際私たちは知恵も情報ももっていないと大変なことになってしまうことが時々ある。問題がないように見えても、一回問題が大きく広がってしまうと収集がつかなくなることが多い。だからわたしたちは、基本的な知恵を土台として、あらゆる情報に耳を傾けることが必要とされている。

   講評   nane

 第一段落の状況実例がおもしろい(笑)。先生の昔の友達にも、いろいろなことをよく知っているけど、あまり判断力がないような人がいたなあ。「無視しよう」なんていうのは、解決策とは程遠いものね。
 タイタニック号の話を情報の大切さに結びつけた発想はユニーク。確かに、問題を事前に防ぐのは正しい情報で、間違った情報のもとで災害が発生してからそれを乗り切る知恵を出そうというよりも役に立つ。
 結びの総合化は大体できている。更に、二つの意見をより高い次元でまとめたという印象になるように書いていこう。
 結びは、自作名言で。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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