国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本の象徴カキ   ショウ

カキは千年にもわたって日本人とともにあり、幾多の詩歌に読まれてきた郷愁の果物といえる。大正期までカキは日本の果物の王座に君臨していた。現代はカキよりミカンやリンゴ、ナシなどのほうが生産量は多いが、庭先果樹としてはカキの右に出るものはない。つまり、カキは千年以上の時を越えて今なおただで食べられる日本最大の果物なのだ。カキには甘ガキと渋ガキがある。日本人には渋ガキのほうが人気がある。甘ガキの品種も多いのに、手間をかけて渋ガキにこだわるのは、とろけるような肉質が甘ガキでは及ばない上に、甘ガキの産地が暖地に限られているためだ。渋ガキが渋いうちは鳥も手を出さない。渋は無用な時期に果実が動物に食われるのを防ぐ意味を持っている。しかし、渋を抜いてまで若いカキを食べてしまうヒトの出現は、カキの進化にとって勘定外のことだったのかも知れない。
 僕は今、ポーランドに住んでいる。ポーランドのスーパーではいろいろなものを売っているが、日本のように美味しい果物といえばリンゴくらいしかない。メロンやみかんも売ってはいるが、あまり美味しくない。この前、スーパーでNASHIと記入してあるものがあった。食べてみると、日本の二十世紀ナシと同じ味だった。日本では洋ナシは高いが、ここでは洋ナシよりNASHIの方がすっと高い。カキは「シャロン」という名前のものが一般的らしいが、KAKIもときどきあるそうだ。違いはよくわからない。ポーランドでは、洋ナシやブルーベリー、ラズベリーなど日本でも馴染みとなった果物はもちろんだが、名前は知らないがブルーベリーをそのまま大きくしたようなものなど、日本ではなかなか見ることのないものもある。ヨーロッパで食べられる果物は、全て日本にもあると思い込んでいたが違った。桃も日本は白桃だが、こちらは黄桃しか見たことがない。
 母に話を聞いてみた。母が子供のころ住んでいた家には小さなカキの木があり一年に数個だけなったそうだ。だんだん赤くなってきて「明日はとって食べよう」と思っていると、翌朝鳥に食べられている、そんなことがよくあったそうだ。人間が先か、鳥が先か、毎日がまるで静かな戦いだ。祖母に聞いた話だが、「カキが赤くなればお医者さんが青くなる」という言葉があるらしい。どういうことかというと、カキが赤くなってそれを食べると病気にならない。病人がいないため、病院に行く人が少なくなってしまうので、医者が困って青くなってしまうということらしい。つまり、熟したカキにはたくさんの栄養があるということだ。
 カキは、昔からある貴重な食べ物で、栄養がたっぷりあり、他の果物と比べ物にならないくらいのビタミンCが入っているので、健康によい食べ物だということがわかった。

   講評   siro

 ショウくん、こんにちは。ポーランドで売られているKAKI。おばあさんに聞いた「カキが赤くなればお医者さんが青くなる」話。カキにはビタミンCがたっぷり含まれているということ。題材が豊富な作文ですね。ちなみに、先生が最近テレビで見た話ですが、カキは意外とカロリー控えめなのだそうです(テレビなので信憑性はあるかは疑問ですが)。
 昔は庭先にあったカキの木も、今はめったに見られなくなりました。けれども、カキは今も「秋の果物といえば……カキ」となるくらい、秋を代表する果物ですね。ポーランドではなかなか食べる機会がないかもしれませんが、あの色づくカキを想像すると、季節を感じることができそうですね。
 「人間が先か、動物が先か、毎日がまるで静かな戦いだ」とは、すばらしいたとえです。カキをめぐる争いは、今年もどこかで起こっているのでしょうね。
 大変よくできました。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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