国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   季節感こそ日本文化!   ミニまろ

 季節は今秋である。秋と言われて直感で思いつくものといえば、運動会、紅葉、食べ物で言えばサンマや柿といったところだ
ろうか。私たち日本人はこれらの風物詩があるからこそ秋を感じられるのだろう。これはいわゆる季節感の問題である。最近では農業や海外輸入も発達してきており、柿やサンマといった日本で秋の恵みとして長年愛でられてきたようなものも、1年中手に入るようになってきてしまった。もちろん私は柿もサンマも大好きで、こうして食べたくなったときはスーパーに一歩足を運ぶだけで簡単に手に入るようになったことはやはり喜ぶべきことだと思う。しかし、こういった便利さが人間の感覚において大切な季節感と言うものを失わせつつあることも認めざるを得ない事実であるといえる。こうして1年中柿やサンマが食べられる環境におかれていると、いつしか「柿・サンマ⇒秋」という方程式を忘れてしまいそうである。日本という、最高の文化環境に置かれているからには、こういった季節感はずっと持ち続けるべきである(当為の主題)。
 そのための対処法としてまず、季節ならではのイベントを楽しむことである(第一の方法)。食べ物の風物詩の動きが激しく変わってきたのに対して、運動会やクリスマスといった季節のイベントは永久に(多分。。)不動の存在だろう。また、自分達でも季節に合わせてその季節の楽しみ方を企画してみることもいい。例えば、春ならばお花見をしに桜が咲く公園へ足を運んでみよう。夏ならばやはり浴衣を着て、お祭りや花火大会を楽しもう。丁度今のような秋には紅葉を見に山へ登ってみれば、食欲の秋には最適のダイエットにもなる。そして寒い冬は雪が降るのを狙て雪だるまやカマクラをつくってみるといい。嫌でもそこには季節が漂っていること間違いない!
 第二の理由としてあげられることは、古典文学の俳句に興味を持つことだ(第二の理由)。なぜならば、俳句には必ず季節を表す「季語」という言葉が組み込まれているからだ。例えば、正岡子規の有名な俳句「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」、この俳句の季語は「柿」で、秋を詠っていることがわかる(歴史実例)。こういった形で全ての俳句には何かしら季節を象徴する単語が含まれ、季節をリズミカルに詠っているのだ。このごく小さな意識が、昔の日本人がどれだけ日々季節を意識して生きてきたかを表してるといえる。これを考えると、やはり現代の日本人の季節に対する感覚の薄れを感じてしまうものだ。英語を学ぶ前に、古人が残してきたこの芸術を、日本人は今こそ見直してみるべきなのではないだろうか。
 確かに一年中様々な季節を味わえるようになったことも、便利と言えるのかも知れない(反対意見への理解)。特に「冷夏」という異常現象も起こりうるようになった今となっては、夏ひとつ感じるにもある意味いろいろ苦労があるとも言える。しかし、柿やサンマが秋の風物詩だということは何にも変えがたい日本文化であり、それらは季節に対応していなければ意味が全くの皆無なのである。やはり季節感と言うものはなくしてはならない日本文化であり、永遠に守っていくべき財産なのである(当為の主題)。今だからこそ、今にしかできないことを精一杯やりたいのが人間のあるべき姿であるはずだ(名言?)。

   講評   nara

 この時期は季節の変化が速いので、こういうテーマであれば、題材も探しやすいね。柿は他の果物に比べて、「一年中ある」というイメージは少ないけれど、それでも南半球での栽培・輸入も検討されていると聞く。サンマは「生」か「解凍」か、シールやただし書きで旬を感じるまでに、通年入手できるようになったね。第一段落「日本という最高の文化環境」とあるけれど、「最高」の意味合いがわかりにくい。何と比べての「最高」かな。「最高」や「すごく」などは使いやすいけれど、漠然としていて内容がわかりにくいので、用いるときは慎重にね。
 第一方法:季節のイベントを楽しむというのは、わかりやすくていい方法だ。今の時期であれば、ハロウィンなどもいい。クリスマスとともに、季節感のあるイベントは、外来のものであっても採り入れる柔軟性が日本人にはあるものね。一つ気になるのが、体育大会などの学校行事だ。最近は、春に体育大会を実施するところも増えていると聞くよ。おそらくは、親世代・祖父母の世代であれば、「体育大会は秋」というイメージだろう。世代によって変わらざるをえない季節感もあるのだね。
 第二方法:世代によって変わるものがあるとすれば、反対の「変わらないもの」を見つけるという意味においても、古典を意識するのは有効だ。「季語」という言葉があるように、季節に対する鋭敏な感覚が文学と結びつくと、人を感動させる世界が広がる。季節感は、元々備わっているものではなく、磨き上げていくものだとすると、古典に学ぶ姿勢は重要だね。
 季節感を大切にするという意識から、温暖化などの環境問題に興味を持つことも、大いにありそうだ。つまり、一つの意識を深めることで、周辺関連事項への係わり合いも生まれる。このことが大切なのだと思うよ。題名をふまえると、華道や茶道などの日本文化もまた季節感を重んじるので、題材として加えてもよさそうだね。自作名言は、「○○とは〜ではなく……だ。」という基本形にあてはめてみると書きやすいよ。

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