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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言いにくい言葉   こんこん

 ことばの生活には、ときどき、言いにくい言葉が現れて、私達のことばを、にごらせたり、くもらせたり、ゆがませたりする。一般に、「ください。」とか「おねがいいたします。」とか言う依頼のことばや、「すみません。」とか「ゆるしてください。」とか言うようなわびのことばも、「ノー」や「忘れました。」も、言いにくいものである。これらの言葉が、なぜ言いにくいのかというと、それは、こういう言葉は、自分の失敗や、欠点や、無力さを、みずからみとめる、自己否定の言葉だからである。
 私がこの話を読んで、私によくあることだな、と思ったことは、「ノー」と言う言葉は、大変言いにくいと言うことだ。私にも「ノー」と言えなかったことがある。それは、つい最近学校で起こった出来事だ。私の前の席に、9月に転入してきたが、ものをはっきり言う女友達がいる。ある日、私が道具箱の整理整頓をしていると、その子が私のしていることを見ていた。そして、道具箱に入っていた、筆箱を忘れた時用の「まとまるくん消しゴム」が気に入ったらしい。
「こんこん〜。この、まとまるくんさぁ、ちょうだい。いい?」
とねだってきた。私は、本当は、「ノー」と言いたかったが、「意地悪」と言われるのが嫌だったし、とても言いにくかった。だから、つい、
「え〜。う〜〜ん。でもな〜。・・・・・・いいよ。」
でも後から、また予備の消しゴムを持って来なければならないので、もったいなかったな、と後悔した。が、もう、後悔先に立たずだった。
 「お母さん、言いにくいから、つい言葉をにごらせたり、くもらせたり、ゆがませたりした事って、ない?」
私は、母に聞いた。母は、少し考えてから、こんな話をしてくれた。10年位前は、(私の)父のいう事ではなく、自分の考えが正しいと思っていた。だから、父との話し合いの中で納得の行かない事があったら、
「ん〜〜〜。」
などと言い、お茶をにごらせていた。なぜ、そんな風に言っていたかというと、母の意見に対し、父は
「なんでだ。」
と少し不機嫌そうに返したからだそうだ。でも、いろんな所に引っ越していると、地域によって、言っている事が違う。その為、父の言う事も一理あると思えるようになってきた。父と母の考えが違うと、自分の考えをきちんと話し、悪いと思ったら謝り、納得のいくこともある、という感じになってきたらしい。
 私はこの話を読んで、言いにくい言葉は、誰にでもある、という事が分かった。でも、これからは「まとまるくん消しゴム」での後悔をいかし、言いにくい言葉もなるべく言えるようになりたい。

   講評   hira

  やっぱり、無理を言って良かった(笑)。後から読み返してみても秋の実りのように中味の濃い作文ですね。コミュニケーションで大切なことは、自分を知り、相手に理解してもらう努力、また相手を知り、相手を理解する努力だと思います。その必要性を感じさせる名作文になりました。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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