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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   意味不明の意味   一休さん

 「我が幼稚園は、本来小学校で習う漢字を先取りして教えています。」といった文句を近頃はよく見かけるようになった。原因は学歴社会の波紋の広がりであろう。この社会風潮は日本の未来を担う子供達に様々な影響を与え、合理的な生き方を目指し、また知識が先行し実体験に乏しいことが現代の子供の特徴となりはじめた。このように知的が重視される社会は神話のような物語的解釈を避け、理論で片がつく科学的説明を好むようになった。だから私は、人々は物語的解釈の大切さを認識するべきだと思う。
 その第一の方法は物語的解釈の本質を理解することだ。その本質は人々にいわば生きる希望を与え人生を豊かにすることにある。世の中には理屈で割り切れないことなど無数に存在する。日常的でかつ根拠が分からない例として「占い」が挙げられるだろう。毎朝の占いはもちろん、駅前にいる占い師は現在でも人気である。この私も毎朝の星座占いが楽しみの一環である。運勢の順位によって一日の気分が大きく左右される。一位のときは、理由は分からないが気持ちが高ぶり快適な日を過ごすこととなる。逆にビリのときは、不思議なことに気分が沈み元気の無い控え目な日を過ごすこととなる。この起伏がある日々は私の人生に余裕と豊かさを与えてくれている。(体験)このように物語的解釈は幼稚なものとして切り捨てられない大事な要素を含んでいる。
 その第二の方法は人類が物語的解釈によって発展してきたことを知ることだ。昔の人々は超人的な力の存在を認め、その力を中心に生活を営んでいた。ある部族は、ときに神へのお祈りの祭りを盛大に催し、ときに神の怒りを静めるため生け贄を授けた。ヨーロッパでは今の竜巻や雷などの天災は神と称され恐れられた。私達日本人も生霊や物の怪を怖がり神の力を借りて退散させようとした。神の存在証明は哲学者のデカルトによって成されたが、未だに議論の余地は残っており、結果的には神は理論で完全に説明できない物語的解釈上のものとなった。先ほどの事例のように神は恐怖の対象だけでなく、人々の心の拠り所でもあった。神への意識の強さを基礎として人間が現代社会を構築してきたといっても過言ではないだろう。(歴史)物語的解釈が実際に実践されて最終的に社会が発達した以上、何らかの素晴らしい点が含まれているのは間違いない。
 確かに科学的解釈のみで社会は発展し、より明白で分かりやすい世界が形成されるだろう。「鰯の頭も信心から」ということわざがある。どんなものでも考え方次第でありがたいものになるという意味だが、現代社会ではどんなものでも無限の見識があり人によって価値は異なる。このように複雑な構造をしている社会と人は付き合わねばならない。「理屈で説明できないものの存在は人にとって不幸ではなく、幸福である。」(名言)意味不明な事柄が存在するからこそ、我々人類は今を余裕をもって退屈せずに生き、進化を続けられるのであろう。だから私は、人々は物語的解釈の大切さを認識すべきだと思う。

   講評   nane

 第一段落の状況実例はわかりやすい。あまり早くから知的な教育をすると、面白い経験ができなくなる可能性があるからね。
 占いの話は具体的で面白い。占いに限らず、だれにでもジンクスというのはある。でも、そのうち、うまくジンクスをコントロールする方法がわかるようになる。いわゆるおまじない(笑)。今度、研究してみよう。人間がもともと物語的に生きているのなら、その物語をうまく利用することも大事だからね。
 第三段落に書かれているように、物語的解釈が歴史を作ることはある。物語に合わせて世界を見ると、一見わかりやすいからね。「神の存在証明はデカルトによって……」は、疑問のあるところ。デカルトは、神の役割というものをいったん保留して、世界を物質的な仕組みとして説明できることを示した。たぶん、神はいると思っていたけど、神がからむと世界の説明がややこしくなるからどいてもらっていたということ。
 「鰯の頭も信心から」を加工すると、「物語に支えられた信心は、鰯の頭も価値あるものに変えることができるのである」ぐらいか。

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