国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   個性とは   ビーバー

 つい最近倫理の授業で、「実存主義」というものをやった。工業化によって失われつつある人間の個性を、いかにして保つか、という哲学である。やったときに先生は、現代にも通じる問題だと言っていて、私もやはりそう感じた。日本でも最近は問題になっているほどである。かの有名な作家、夏目漱石も「他人の個性を認めつつ自分の個性を発展させるべき」と、学習院での講演で言ったという。なぜ意識が高まっているのに実際に対策がなされないかと言えば、それは日本人が「控えめに、目立たず」という文化の権威に押されているからだろう。これでは個性の発展にはならない。これからは、もう少し個性というものを重視し、意識的に発展させていくべきだと思う。
 そうするための第一の方法は、マニュアルという規定のものだけに縛られないようにすることである。今年は弟の受験のせいで、覚え方などが身の回りにあふれるようになった。私も一応は中学受験経験者だが、あまり覚え方は意識していなかったと思う。地理に関してはほとんどオリジナル(というかそのまま)で覚えていた。覚えるものはほとんど語呂には頼らず、自分の方法だった。なぜか私は昔から「人と同じ」というのが嫌で、所持している折りたたみ椅子は一つしか残っていなかった色のものである。情報の授業の時のファイルが他の人と同じ色なのが気に入らないくらいである。このように、マニュアルに頼らないのも私にとっては楽しいことである。
 その第二の方法は、個性的な人を認める社会に変えていくことである。日本人に、特異なことをしたという人は少ない。せいぜい戦国武将程度だろう。日本人は、個性的で差し出た人間が嫌いなのである。歴史上の大きな発見をしたシュリーマンは、トロイの伝説を聞いて、トロイの発掘をしてみようと言い出した。人々は所詮伝説だと言っていかないだろう。私だって、伝説なら実在するとは思わないだろうし。しかし彼はその伝説を信じてトロイを発掘、実在したと言うことが証明された。私は、これは凄いことだと思う。今の日本には、こういう感じの個性的な人間が欠けている気がしてならない。
 確かに、マニュアル通りに行動した方がどう考えても安全で、作業効率も格段に上がる。「出る杭は打たれる」ということわざがあるが、出る杭は出せるところまで出させる方がいいのではないかと思う。むしろ「出る杭はもっと出す」にするべきだと思う。打っていたら進歩はないと思う。むしろ引き出せるところまで引き出して、世界の役に立つ方がプラスの要素が大きいと思う。この根底には「個性」がある。私はこう思った、「個性なくして進歩なし」と。

   講評   nane

 実存主義の勉強などをやっているんだね。工業化の中で人間が疎外されて、自分とは何かということを考えるようになった。個人というものが深く自覚されるようになったのが現代だね。
△「かの有名な作家」は不要(笑)。だれでも知っているから。
 マニュアルに頼らないというのはビーバー君らしい。受験勉強というのは常に、マニュアル化される。なぜなら、マニュアル化した方がほぼ絶対に能率がいいから。しかし、能率だけを考えると、本当の実力がつかない。そういう意味では、マニュアルは両刃の剣だね。
 シュリーマンの伝記も、いい入れ方。この本を読んで感動するというのは、読む力があるからだと思うよ。
 「出る杭はもっと出す」はうまい(笑)。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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