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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   交話機能   かいろ

 交話機能というのは、言葉が持つ人と人の気持ちを結びつける作用を指すものである。多くの人が仕事の話や用件に入る前に、当たり障りのない短い会話を交わすことがあるが、これは互いの警戒心や敵意を弱め反対に安心感を高める効用があるからである。交話機能とは、人々が本格的な対話関係に入るためのいわば地均し、心の波長合わせを行うものであり、対話者どうしの一体感や帰属意識を高める潤滑油としての働きなのである。
 確かに言葉には潤滑油としての働きがあり、人々の間でよく使われ、とても必要なものだ。テレビやラジオを聞いても、新聞や雑誌を読んでもいきなり本題に入っているものはない。ナレーターは始めに挨拶をしたり、自己紹介をしたりする。新聞や雑誌でも、身出しがある。このように、まず本題には関係のない話から始まるのだ。
 しかし、潤滑油を使えばよいと言うわけではない。どうでも良い話ばかりしていて、一番伝えたいことが伝わらないのでは意味がないのである。昔話に「鶴の恩返し」というものがある。このお話は、おばあさんとおじいさんが女の人との約束を破ってしまい恩を返そうと思っていた女の人が鶴になっていなくなってしまうおはなしである。もっと詳しくおじいさんとおばあさんに話していれば、こんな悲しい結末にはならなかったと思う。
 確かに、潤滑油は必要だ。しかし内容が伝わらないのでは意味がないのだ。「すべてに効くという薬は、何にも、効かない。」という名言があるように表面だけでは何にもならないのだ。中身と表面の二つを兼ねそろえて意味をなす。もっとも大切なことは、この両方をつかってどのようになすのかである

   講評   kira

 かいろさん、こんにちは。「心の波長(ダイヤル)合わせを行うもの」として、本題に入る前の部分の大切さを、テレビのナレーションや新聞の記事などで考えました。そういったものの仲間に、今の若者言葉があるのかもしれないね。おもしろい省略語であったり、逆さことばだったり、外来語のもじりだったり、方言のあそびだったり。それは内容伝達の目的ではなく、なんとなく仲間同士の合図、所属確認の安心感といった役割です。しかし、それは何も新しい動きではなく、言葉の機能の中にあったのですね。そういえばロンドン紳士はお天気のあいさつをまず欠かさないという話しがありましたっけ。
 中身も大切と言うことでは、昔話をうまく加工していけました。鶴の恩返しの「なりません」という禁忌にはたいへん重い内容があったんだね。自然と人間を融合させたような昔話にはよく出てくるパターンです。人間への戒めになっているのでしょうね。よく聞くことが大切だし、言葉を尽くすべきだったという教訓でしょう。
 内容を充分熟知し使いこなせる能力とともに、そこに対話といったワンクッションが置けるような力もあわせ持ちたいね。そしてそのコミュニケーション能力を活用していこう。
  

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