国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   進歩と模倣   くるりんぱ

(要約)奈良の大仏や戦国時代の鉄砲に代表されるように、日本人は異質で高度な文明・文化に触れたとき、それを率直に評価して猛烈な勢いで取り入れてきた。このことを可能にしたのはそれを消化するだけの素地があったからである。ところが欧米から「もの真似上手」という批判を浴び続けてきたため、独創性欠如コンプレックスに陥ってしまった。しかし、日本では芸事などにおいても伝統的な古いやり方を徹底的に学び、基本技術をマスターした上で、伝統を破り、まったく独創的な方式を確立していくのである。真似ることにコンプレックスをもつ必要はない。(生き方の主題)模倣することに自信をもって生きていきたい。
 (複数の方法一)そのための方法としては第一に、よい手本を探すことが重要である。(体験実例)私が高校の教員になったばかりの頃、なぎなた部の顧問になったことがある。なぎなたは、剣道と同じように試合で戦う試合の部と、ほかに形を競う演技の部がある。部活では初心者ばかりの生徒とはじめてなぎなたを手にした私しかいなかったので、練習をしてもなかなか上達しなかった。そんななか月に一度のペースで外部から県のトップレベルの選手達が来て練習相手になってくれた。選手達と試合をすると隙がなく切れのある動きをし、演技では静の動作のなかに闘争心が見え隠れする。具体的に何がちがうと口に出して説明することはできなかったから、とにかく選手達の真似をすることしか生徒たちに指示できなかった。試合に関しては動きが早いのでなかなか目に見える上達がなかったが、演技のほうは動きに切れが出てきたように感じた。やはり口であれこれ指示するよりも、良い手本を真似ていくことが重要である。
 また、(複数の方法ニ)第二の方法としては、模倣の大切さを教えていくべきである。生徒に勉強を教えていると、真似をすることを面倒くさがり、何かもっと早く簡単にできる方法はないか、とすぐに言い出す。何度も何度も真似をしながら問題と解いていくうちに理解が深まって、省略できる部分があることや別の簡単な方法があることを思いつくことがあると思う。しかし、とにかく生徒は真似をすることを面倒くさがり嫌う。(社会実例)ある有名な能楽者の母親がテレビで話していたことを思い出す。母親は能楽者に小さい頃から練習に練習を重ねさせ、先代たちの舞をひたすら真似をして体に覚えさせたそうである。たとえ晴れの行事があっても例外なく練習は続けさせたそうである。普通なら今日はお祝いだから今日は特別に練習はなしね、となるのだろうが、芸事には特別な日は関係ないそうで、とにかく毎日毎日、先代たちの舞の真似をさせて、体に叩き込んだそうだ。そして舞が自分の体と一体化したときに、いらないものをそぎ落とし、大事にしたい部分だけを取り込んで自分らしい舞がはじめて踊ることができるそうである。
 確かに、模倣だけで終わってしまっていては進歩がない。(反対意見への理解)しかし、模倣は創造の基礎となる。いきなり何もないところから、新しいものは生まれない。(名言の引用)「道は近くても、行かなければ到達しない」という言葉があるように、まず模倣からはじめ、少しずつ自分の独創性を出していけばいいのである。(生き方の主題)真似ができるということにもっと自信をもって生きていきたい。

   講評   hota

 この回は電話はお休みでしたが、ご自分で書いて提出してくださいましたね。忙しい中、続けていくのは本当に大変なことだと思います。頭が下がります。m(_ _)m

 今回の課題も、ほぼ完璧に近い出来でした。要約もいいです。「体験実例」が、身近な話題の中から、よく考察されたものを取り入れられています。「社会実例」が入ったのもとてもよいですが、今学期は「伝記実例」なので、「ある有名な能楽者」の実名を挙げて、「その母親の話によると彼は……」という形にすると、項目的にはちょうどよかったでしょうか。今のままでも、そう大きくはずれてはいないと思うのですが、そして、作文の完成度としては問題はありませんが、ただし書きが「伝記実例」ではなかったので、申し訳ありませんが「題材」と総合評価が○になっています。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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