国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日3224 今日2070 合計57630
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   二つの知性   すいーとぽてと

 鯨や象が高度な「知性」を持っていることは、たぶん間違いない事実だ。しかし、その「知性」は、科学技術を進歩させてきた人間の「知性」とは大きく違うものだ。人間の「知性」は、自分にとっての外界、大きく言えば自然をコントロールし、意のままに支配しようとする、いわば「攻撃性」の知性だ。これに対して鯨や象の持つ「知性」は、いわば「受容性」の知性とでも呼べるものだ。彼らは、自然をコントロールしようなどとは一切思わず、その代わり、この自然の持つ無限に多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、それに適応して生きるために、その高度な「知性」を使っている。だからこそ彼らは、我々人類よりはるか以前から、あの大きなからだでこの地球に生きながらえてきたのだ。私たちは、自然界の「知性」をもっと学ぶべきだ。
 そのための方法として第一に、私たちが行動したり考えたりするときに、まず調和を考えるようにすることだ。私たちは部活動について、学年ごとによく話し合いを行う。最近はなくなったが、以前は人数が多かったこともあり、毎回のようにもめごとが起こった。皆自己主張をするので、意見が沢山出る。するとまったく逆の意見も出てくる。だんだんと二つの意見に分かれるようになり、お互いに相手側の意見の欠点を言い始めたり、あるときは感情的になり過ぎて一人の人を責めたりすることもあった。そうして反対側の意見を潰していこうとし、雰囲気はどんどん悪くなっていく。まさに恐怖の話し合いといった感じで、皆がほかの意見の逃げ道を必死にふさいでいた。こんな話し合いをしていた結果、誰かと誰かの仲が悪くなったりすることが沢山あった。この頃があったからこそ今はお互いが正直に話せるようになったのかもしれないが、今思うとあまり良い話し合いの形式ではなかったと思う。一人一人が自分の意見を押しすぎるあまり、相手の意見を聞く耳を持っていなかった。自分とは反対の意見の良さも見つけていくように心がけていたら、話し合いもスムーズに進んだと思うし、関係がこじれることも無かっただろう。これから話し合いを行うときは、相手の意見の良いところも積極的に探していくように心がけたいと思う。
 そのための方法として第二に、社会全体としても、調和のとれていた時代を見習っていくことだ。縄文時代は、人の手先の技術が発達していなかったこともあるだろうが、人と自然との調和がうまくとれていた。しかし時代が進むにつれて、いろいろな技術のレベルが上がり、だんだん人は自然よりも自分中心な考え方になっていったのだと思う。そして今、環境問題は深刻な状況におかれている。最近は、この問題を少しでも改善の方向に向かわせようと、資源を大切にする人が増えてきた。しかし、まだあまり気にしていない人も多い。私も、気をつけようとは思いながらも無駄遣いをしてしまうことがある。自然と調和するためには、まず自然に対しての個人の意識を高めることが必要になってくると思う。
 確かに、人間が本来持っている「攻撃性」の知性がここまで社会を発展させてきた。しかし、調和とは、自分の意見を持たず、周りに合わせることでは無く、自分も意見を持ちつつ、相手の利点にも目を向けることである。だから私たちは、これからは「攻撃性」の知性だけではなく、自然界との調和、「受容性」の知性も学んでいくべきだ。

   講評   kira

 すいーとぽてとちゃん、こんにちは。「受容性の知性」という言葉には惹かれるものがありますね。確かに近代を支えてきた自然科学の考え方は、人間が自然をコントロールしようとするかなり能動的なものでした。そして今、科学万能が疑われ始めたときに当然起こってくる反省として、もっと自然と仲良くという方向が芽生えてくるのですね。日本には地震などの自然災害は「天災」「運命」という考え方があります。「偉大な自然」に対して「無常で卑小な人間」。人間は自然と一体になろうとします。災害にあってもそれも運命と受け入れる。弱いようで、けっこう強い姿です。これは、すいーとぽてとちゃんが指摘した第二の方法の部分ですね。
 そういった一体になろうとする精神は、日本の「話し合いの場」にもありますね、西欧のディベートは闘うイメージですが、日本人はなんとか満場一致になれるように働きかけたりします。
 私たち人間が自然に向き合う姿勢の中には、受け入れ、自分も変化できるようなかたちを考えていく必要もあるのでしょうね。
★23日は祭日ですので「休み宿題」になります。次は12月7日「進級テスト」になります。頑張ろうね。
     

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)