国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『行列』の意味   みやひ

 今日の都市生活に欠かせない行列という社
会現象がある。古代の歴史書には、西洋での
戦争のときに捕虜を行列させていた、と書いて
あるが、今ではスーパー等の日常までにも行
列は達している。たとえば空港でチェックイ
ンする時、客が一人の間は、待つ側の客と待
たせる側の係員との心理関係だけが問題だが、
客が二人以上になって列ができると、そこで
待つ者同士の社会的関係の問題が加わってく
る。一人で待たされている間は、無力感や退
屈や苛立ちとたたかっていればよいのだが、
行列ができた途端、自分だけの問題だけでは
済まなくなる。新聞や雑誌をひろげてみても、
目を周囲にくばり、とくに前方に一定以上の
感覚をあけないよう徐々に前に進まなければ
ならないから、落ち着いて読めない。待つこ
とは副次的活動ではありえず、どうしてもそ
の場の「主要関与」にならざるをえないのだ。
行列について一書をあらわしたアメリカの社
会学者、B・シュワルツによれば、行列に並
ぶ不快感は、待たされる側の待たせる側に対
する無力感や、その間ほかの有益なことがで
きるはずだという焦燥感とともに、知らない
人間といっしょにいることの不安感に由来す
ると述べている。私は行列を作ることに反対
だ。
 第一の理由として、行列があると、体力も
精神的にも疲れるからだ。私が行列のことで
一番嫌な思いをしたのは、今年の夏にディズ
ニーランドへ行った時だった。私は友達と
行く約束を前もって計画していたのでチケッ
トは買ってあったけれど、ディズニーランド
に入場するだけでも四十分は並んだ。その
日はかなり暑く、湿気が多くてピクニックに
は最高の天気だったけれど、外で行列に並ん
でいる人にとっては最悪だった。幸い、友達
と一緒だったから退屈はしなかったが、暑く
てベトベトしていて、そして徐々に前へ進ま
なければならない。あの時は、もしこの待ち
時間をアトラクションの待ち時間のために利
用できたら、きっと入場した頃には一つのア
トラクションに乗れただろうな、と憂鬱だっ
た。違う場面の例を挙げれば、渋滞だ。私は
車による渋滞が大嫌いだ。元々車酔いしやす
いので人一倍好きではない。しかも、少しず
つしか進まないのでイライラするし、エンジ
ンをつけたまま停止しているので地球温暖化
にも関わる。
 第二の理由として、行列に並んでいる間の
時間は無駄だし、諦めが早い人間になってし
まうからだ。今年、カナダにあるアメリカの
領事館へビザの更新のために行った。カナダ
は北なのでとても寒かったにも関わらず、外
で三十分くらい待たされた。前にはドアまで
列ができていた。それなのに領事館は、本、
携帯電話、食べ物等は持ち込まないで下さい
との事だったので手ぶらで行ったけれども、
あの三十分だけでも宿題を少しは進められた
のに、と後悔した。この体験を通して、もっと
待たされる側の身にもなって、色々と整備を
付け足してほしいと思った。
 確かに、行列が出来るのは、行列に並んで
いる人達が並んでいる目的のものが欲しいか
らなので、少しくらい並ぶのは仕方ないと思
う。しかし、『時間を作る第一の方法は、急
ぐことではなく、どこに時間を使うかだ。』
という名言があるように、無駄な時間を増やす
のは良くないと思う。

   講評   ogi

 少し要約が長いようですね。要約は全体の4分の1以下、つまり200字程度に収めましょう。
 〈第二の理由〉の『諦めが早い人間になってしまう』の実例をもう少しくわしく書くといいと思います。たしかに行列に並んでいるときに「何もしてはいけない」ようなことを言われたら苦痛だし、時間の無駄になりますね。
 特に領事館など事務手続きの場所では、行列という方法ではなく、予約制にしたり、整理券を配ったりして行列にならない方法を考えて欲しいものです。このようなことを入れて、第四段落のまとめに、もう少し意見を入れてみてはどうかな? 行列=無駄な時間=だからいけない という公式は、説得力が弱いような気がします。

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