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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   締め切り   ピアノン

人は二足歩行で手を解放し、その手に道具を使う役割を持たせ、それを発達した大脳で制御するという方法によって、急速に優勢な動物になった。そのため、狩る立場に立つことはあっても狩られる側にまわることはほとんどなくなった。野生動物の場合常に死を目前として生活している。彼らは日々生きるか死ぬかの生活の中で濃密な生の時間を過ごす。そして、自分の力であらゆる努力を払って生き延びていることは幸せだと感じるのだ。死ぬこととは連続的な生の喪失である。我々が目指すやすらかな最後は、野生動物のほうが分かっているのかも知れない。私は、野生の動物が死をいつも意識しているように常に締め切りが、そばにあった方が良いと思う。
 そう思う第一の理由は、死のような締め切りがあるからこそ物事に一生懸命に取り組むことができる。例えばテストという締め切りがあることで集中して勉強することができる。中間テストや、期末テストがあるときに先生は必ず
「あと○日後にテストがあります。」
と、言う。その様に締め切りが決まっていると「それまでにきちんとやらなくちゃ。」と自然とやる気が出てくる。それに、締め切りまでの限られた時間を有効に使うことができる。逆に、もしそのような締め切りが無くて、
「そのうち、テストをするかもしれません。でも、もしかしたらやらないかもしれません。」
と言われたとしたら、別に「頑張ろう。」という気持ちも生まれないと思う。少し勉強をやったとしても、ダラダラしてしまい、ちっとも頭に入らないだろう。締め切りを意識するからこそ、充実した時間を過ごすことができるのだ。
 そう思う第二の理由は、死のような締め切りを自覚しないと計画性のないじんせいを送る事になるからだ。例えば、「平均寿命の国際比較」のデータを見ると、日本は女性84歳、男性77歳といずれも世界第一位である。このような寿命がわかるという事は人生の締め切りがおおまかにわかるという事だ。そして、それがわかる事で未来図を描くことができる。私は、自分の好きなことをやって生きていきたい。まだ具体的にはよくわからないが、好きな職業について、素敵な家庭を作り上げ、老後は好きなことをして過ごし、そして最後はたくさんの孫達にかこまれて死んでゆきたい・・・。せっかく生きているのだから、自分のやりたいことをたくさんやって、締め切りまでの時間を濃密なものにしたほうがいい。
 確かに、死は怖い事であり、死を伸ばすことを考え人間の文化は進歩してきた。しかし、「限られた人生で、大切なことは、「何をするか」ではなく「何をしないか」である。」という名言があるように締め切りを意識するからこそ充実した人生をおくることができるのだ。

   講評   onopi

 まだ若いあなたに死というものを意識するのは難しかったかもしれません。ですが、締め切りという観点からだと書きやすいと思います。第一段落で締め切りがあることを肯定して主題を書くことができました。第二段落以降その理由を二つあげてくれています。一つ目は締め切りがあることでいっしょうけんめい取り組めるからということでした。あなたの書いてくれている実例のようにテストという締め切りに合わせて勉強した方が能率的だし頭に良く入りますね。もう一つの理由は計画性のある人生を送るために必要だということでした。日本人の平均寿命をデータとして書くことができています。第四段落で反対意見への理解を示した後、名言を引用しながら自分の考えをまとめることができていました。
    

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