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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   変化する言葉   意気陽陽

 語源がわからなくなると、もとの語の発音や意味に変化を来すことがある。漢語の場合には、それに使われた漢字が忘れられると、意味用法の転ずることが少なくない。ことに話し言葉では漢字でどう書くかを問題にしないから、意味を支持するものがないためにとかく変化しがちである。言葉の正しさを論ずる時にとかく語源が引き合いに出されるが、語源の通りでは社会状勢の変化のために合わなくなるものが多い。結局、言葉は各人の言語意識によって動いて行くようである。そして、その言語意識を作り上げるのは、主としてその人の経験、教養、学校で受けた教育である。
 ぼくは、言葉というものは変化していくべきものであると思う。その理由は二つある。第一の理由として、言葉というものは今までずっと変化し続けてきたものであるからだ。僕は今学校の古典の授業で吉田兼好作の「徒然草」について習っているのだが、その中にはとても多く「係り結びの法則」と言う文法が使われている。この係り結びの法則というものは、文中に「ぞ、なむ、や、か、こそ」のどれかが入っていた場合、文末が已然形か連体形になるというものなのだが、先生の話によると、この文法は少したつと全く使われなくなったらしい。また、「万葉集」も、特殊な文法で書かれているため、編纂されてから百年ほどたった時には、もうだれも読めない本となっていたらしい。このように、言葉というものは今までずっと変化し続けていたものなので、これからも変化して言ってもおかしくないし、今まで言葉が変化してきたのは、その方が便利だからだと思うので、これからも変化していくべきだと思う。
 第二の理由として、言葉が変化していけば、何かと便利だしおもしろいからだ。僕の学校で一時「KY」という言葉が流行った。KYの意味は、「空気読めない」の略なのだ(空気のKとよめないのY)。国語の先生が言うくらいはやったこともあった。しかしこの言葉が流行り出してから、なんとなくではあるのだが、多くの人が空気を読んで行動するようになった。授業時間が始まって先生がまだ来ない時に、今までだったら何人かがずっとしゃべっていたのだが、いまではクラスの八割が黙ると他の騒がしい人も黙るようになった。今年の流行語大賞の一位は「どげんかせんといかん」と「はにかみ王子」だったのだが、この「どげんかせんといかん」はどうにかしなければいけないという気持ちをそのまま言うよりもずっと相手に気持ちが伝わると思う。
 確かに、変化した言葉の意味や語源を知らなければとても不便かもしれない。しかし「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にすることである。」という名言もあるように、変化した言葉はその方が気持ちをより伝えやすく、便利だからその言葉ができたので、言葉はこれからも変化して行くべきだと僕は思う。

   講評   sugi

 「係り結びの法則」の話がおもしろい。言葉や文法が時代とともに変化するという、ぴったりの例を見つけたね。「徒然草」を読むために、現代ではわざわざ文法を勉強しなくてはならないとは、吉田兼好もびっくりだろうなぁ(笑)。「係り結びの法則」は、だんだん面倒がられて、使われなくなってしまったのかもしれないね。
 しかし、面倒なものがなくなっていくだけならば、言葉はどんどん退化して簡単になってしまうかもしれない。それでは人間の思考まで退化してしまいかねないので、私達が古典や現代国語を勉強するのには大きな意味があるのだね。
 第三段落は、少しやわらかい話も出てきて、肩の力を抜いて楽しく読めたよ。「KY」のような流行語は、あっという間に廃れてしまう場合がほとんどだけれど、その中で残っていく言葉もある。本当に便利で使い勝手の良い言葉が残って、広辞苑に書き込まれるようになるのだろうね。まさに言葉は生き物だね。
 項目はもちろん、字数も余裕で目標を超えるようになったね。よくがんばりました!

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