低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉 いすも
方言で「つるべ」のことをツブレ、「ちゃがま」のことをチャマガ、「つごもり」のことをツモゴリというところがある。語源が分からなくなると、元の語の発音や意味に変化を来すことがある。私は実態に合わせて言葉を変えていくべきではないと思う。
第一の理由に、実態に合わせて言葉を変えていくと、混乱してしまうからだ。私はカナダに住んでおり、毎週土曜日に補習校に通っている。そこで、国語の時間に古典を習うが、私にはさっぱり意味が分からないので、これが本当に日本語だったのか、といつも不思議に思う。そして、古典を何週間も引き続けて習っていたために、終いには日本語を習いに来ているのか、全く違う言語を習いに来ているのか分からなくなってしまう。そして、あまりにもの違いに、頭が混乱してしまい、すごい苦労をするのだ。もし、千年前から日本語は同じであったら、私は古典を習わなくてもいいのに、と古典が苦手な私はいつもそう思いながら授業を受けている。千年前と今の日本語が同じだったら良かったのに、と思う。そして頭を抱え込み、一生懸命現代語訳に挑戦するのだ。実態に合わせて言葉を変えないでずっと同じにした方が、私にとっては都合が良い。
第二の理由に、後六十年後に私がおばあさんになったときにこのまま言葉が変わっていってしまうと、絶対にその時代の若い人たちの会話についていけなくなるからである。会話についていけないと、コミュニケーションが取れない。今でも実際に「ギャル語」とか言って、若者達の間で使われている言葉があるのだ。これは言葉の進化と呼べるのかどうかわからないが、外国に住んでいるせいか、私もさっぱり意味がわからずついていけない。データによると、一番の親友同士のことを「いちどうし」といったり、カラオケに行くということを「オケる」と言ったり、病んでいることや病気のことを「ヤンヤン」というらしい。今の時代でも世の中にはこういう言葉を使う人々がいるなら、六十年後にはどうなっているのだろう、と考えるだけでドキドキする。私だって孫と会話をしたいし、私と同じ世代のおばあさんおじいさんだけとしか毎日会話ができないと、つまらないと思う。だから、私はこのままの日本語を使っていった方がいいと思う。
確かに、実態に合わせて言葉が変わってしまうのはしょうがないかもしれない。時代も毎日毎週毎月毎年と変わっていっているので、言葉もそれに合わせて変わってしまったり、刺激されて変わってしまったりすることもあるのだ。それに、その言葉に飽きてしまって変えだす人もいる。「飽きるということも、一つの能力のあらわれである」という名言もあるように、人間は飽きてしまう事が多く、そのせいで言葉を変える(進化する)かも知れない。だが、私はやっぱり変えないほうがいいと思う。日本の古い歴史的な言葉も認めつつ、今使っている日本語を大切にして行きたいと思っている。
講評 ogi
日本語と英語、ふたつの言語を学ばなければならない環境にいるいすもさんならではの、実体験にもとづいた例が挙げられましたね。メインで学ぶ英語、フランス語などの第二外国語、そして日本語。日本で暮らすよりもずっと多くの言語を使わなければならないのに、この上古典まで! となれば、たしかに日本語の変化を恨みたくもなりますね(笑)
第二の理由の「ギャル語」の例は、言葉=コミュニケーションの手段というところに着目したのがいいですね。こういう流行語は日本で暮らしていなければわからないもので、自分の知らないところでどんどん日本語が変わってしまっていったら、不安になりますね。言葉が変わるのは文化の発展でもあるわけだけど、美しい言葉や自分が使い慣れた言葉は変わってほしくないと、私も思います。。
まとめの「日本の古い歴史的な言葉も認めつつ、今使っている日本語を大切にしたい」という意見は、とても良いと思います。日本語以外の言語を使っているからこそ、日本語を大切にする心が芽生えるのですね。その心をずっと大切に持ち続けてください。
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