国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉を変えるべきか   みやひ

 方言で「つるべ」のことをツブレと言う所
がある。このような誤りが定着したのも、本
来「釣る瓶」であるという言語意識が薄れて
しまったからであろう。漢字の場合には、そ
れに遣われた漢字が忘れられると、意味用法
の転ずることが少なくない。例えば、「馳走」
は、もとの漢字から言えば、はしるの意だが、
今ではおいしい料理を意味する。おいしい料
理はいろいろ手間や労力がかかるから、「御
馳走」と相手に礼を言ったところから、現在
のような意味に転じたのである。また、言葉
にはいくらでもおかしなものが出て来る。
「駅」や「駐車」も馬偏がついているのはお
かしい。今は昔のように馬や馬車で走ること
は滅多にない。言葉の正しさを論ずる時にと
かく語源が引き合いに出されるが、語源の通
りでは社会情勢の変化のために会わなくなる
ものが多い。社会は複雑になり、人の心理も
単純ではなくなるから、語源の通りであるこ
とが正しいということになると、今の現実の
社会には合わないことになる。だが、そうか
と言って、一々言葉を言い換えるのは大変で
ある。私は現代に合わせて一々言葉を変える
べきではないと思う。
 第一の理由として、新しい言葉を覚えるの
は大変だからだ。私は今、英語を勉強するた
めにアメリカに住んでいる。日本に住んでい
た時は、英語だって日本語と同じで聞いてい
れば発音も良くなるだろうし大体分かるだろ
う、と甘く見ていた。実際、来年の一月でも
う二年が経つが、未だに辞書を引かずにはい
られないでいる。まだ普通のアメリカ人より
は単語も全然知らないし、手紙を書く時も文
法が滅茶苦茶だ。夜中までサイエンスのテス
ト勉強をして頑張ったにも関わらず、百点じゃ
なかった時も沢山ある。これだけ英語勉強で
大変なのに、日本語まで新しい単語を増やさ
れるなんて今の私には相当無理なことだと思
うし、老人にもキツイと思う。また、頻繁に
言葉を変えると混乱が起こる。
 第二の理由として、慣れ親しんだ言葉には
愛着があるからだ。私には四年生の妹がいる。
妹は生まれた時から緑色で熊のがらの入った
タオルを持っているので、とても愛着があった。
妹が二年生くらいの時、妹はいつもこのタオ
ルの事を「大きい熊さんのタオル」と呼んで
いた。それに釣られて、いつの間にか家族や
祖父母にまでそう呼ばれるようになっていた。
ところがある日、祖母が、「この言い方って
やっぱり変じゃない?大きい熊さんのタオル
っていったら大きい熊の付いたタオルって事
になっちゃうんじゃない?」と言った。確かに、
このタオルは大きい熊ではなく大きなタオルの
事を表していた。それからというもの、私は
「熊さんの大きいタオル」と呼ぼうと試みた
が、やはり「大きい熊さんのタオル」の呼び
名には愛着が湧いてしまっていて、結局、直
せなかった。データ実例のように、自分が出
す年賀状の一位はパソコンを利用する、など
と世の中変わりつつあるけれども、わざわざ
愛着のあるものを変える必要は全くないと思
う。
 確かに、現代の言葉と意味が一致している
方が分かりやすいし、新しい言葉を増やし、
言葉を豊かにするのも良いと思う。しかし、
「自分の心のうちに持ってないものは何一つ
自分の財産ではない」という名言のように、
自分が何回も作っていて愛着のある言葉の方
が使いやすいし実感もわくと思った。英語を
自分のものにしたいので新しい単語も覚えた
いけれども、今、馴染みのある言葉も大事に
したい。



   講評   ogi

 少し要約が長いですね。要約は200字程度でおさめましょう。
 第一の理由、第二の理由とも、意見によく合う実例が見つかりました。とくに第二の理由は、誰の身近にもよくありそうなわかりやすい実例で、とてもいいですね。また、名言もピッタリなものが見つかりましたね。
 言葉は自分の心を相手に伝える大切なものです。また、言葉一つで相手を良い気分にさせたり傷つけたりもできます。美しい言葉や正しい言葉をきちんと使える人間になりたいですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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