低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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民主主義 あにせ
世界中の国を見ると、独裁をとる国がほとんどで日本のような民主主義国は少ない。私達は民主主義が当然だと思っているため独裁と聞くとなんとなく恐怖を感じる。ドイツを独裁したヒトラーは、反ユダヤ主義を唱え大量のユダヤ人を殺した。しかしヒトラーは貧困に陥っていたドイツを豊かにしたのだ。独裁は独裁権を持つ者に操作されるために能率的である。それに比べ民主主義は人民が権力を所有し全ての人が平等という考えであるため、対立しやすい。それによって長く時間がかかる場合がある。だが多数決で決定するなど多数派の意見を採るため平和にいきやすい。確かに能率的な独裁政もよいかもしれないが、平和な民主主義であるべきだ。(当為の主題)
そのための方法として第一に、権力を持つ国民のレベルを上げることだ。一人一人の心のあり方や人間性がきちんとなっていれば、誰かに指図される必要もなく自分達でどうにかしていくことができる。またそれがきちんとできていれば意見を押し通そうとする自己中心的な考えな人、人の意見を聞けない人なども少なくなり揉めたりすることなく皆がよい方向にいくような意見をだすことができるようになるだろう。私の学校は校則が厳しい。生徒指導の先生が常に目を光らせていて、破っているのが見つかると当たり前だが怒られる。時には特別指導という名のお説教があるそうだ。私達生徒はこの学校の規則に拘束されている。その中で生活していると、逆に破りたくなってしまうことがある。これは人間の性かもしれない。ここまで厳しく目を光らせていなければ、自分達でどうすることがいいのか判断する力も養われるだろう。自分自身どうあるべきなのか、それを考えることが国民のレベルを上げる道であるかもしれない。(複数の方法1)
また第二の方法として、身近で民主主義の考えを取り入れることだ。私の学校の姉妹校のバスケ部は、中学生高校生共に東北大会で優勝するなどとても強いチームだ。先輩後輩関係が厳しいようなチームなら一番下の学年が雑用を行う。私のチームもそうだ。しかしこのチームは、一番下の中一が雑用をするのではなく高一がするのだ。このために中一は思う存分練習ができ、それもあってこのような強いチームに成長したのだろう。先輩が偉そうにしているチームより先輩も働くチームのほうがよりよくなることがわかる。これを国に当てはめて考え、民主主義を理解することも必要だ。(複数の方法2)
確かに、独裁することによってもたらされる幸福もある。古代ローマの初代皇帝アウグストゥスは、元首政と呼ばれる統治をした。それは名目上は共和政であり国民に権利があるが、実質上は帝政であった。民主主義と独裁政を合体させたようなものだろう。そしてアウグストゥスは、ローマに二百年間の平和をもたらした。このような、民主主義だけでなく独裁政も使った政治によって成功しているから、独裁を否定することはできない。しかし、人間は支配されて動くのではなく自分で動く力を持っているのだ。対立したり問題が起こることも多いかもしれないがそれでも人間味を持った、安倍前総理が言ったような「美しい国、日本」になればいいと思う。私達は、この民主主義国で人間らしく生きるべきだ。
日本に、ヒトラーのような強力な独裁者が現れないことを願う。(歴史実例)(当為の主題)(自作名言)(書き出しの結び)
講評 nane
冒頭の説明は、自分の言葉でよく消化して書いているね。
第二段落の方法も具体的。規則や罰則でコントロールしようとすると、かえって人間性のレベルが低くなってしまうのかもしれない。本人の自覚を待つというがいちばん人間的。
第三段落のスポーツの例もいい。これからの時代は、権威主義的な組織は生き残れない。
「人間は支配されて動くのではなく自分で動く力を持っているのだ」は、いい表現。
今回は力作だね。
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