国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   未知の可能性   れもん

 現在、日本でもごく一般的な服装として流通しているジーパンは、もともとはアメリカで作業ズボンとして使用されていたものである。それをある俳優が映画で着用したことから、一気に若者のファッションの中心となってしまった。これは如何にも民主主義国であるアメリカらしいエピソードである。このように民主主義は、新たな文化を創造する大きな可能性を秘めている。しかし、民主主義がもたらすのは、自由や平和だけではない。第二次世界大戦前のドイツでは、戦債返済のために国民生活が困窮し、結果として民主主義がユダヤ人大虐殺を行ったヒトラーを政治のトップに押し上げてしまう形となった。大衆が望むことが善であり、それをすべきである。一般的に理想的な政治形態であるとされている民主主義にも、その社会によっては最悪の結果を招いてしまうこともあるのだ。私は、民主主義の危険性も理解した上で、民主主義を実現していくべきだと思う。(当為の主題)
 その第一の方法としては、会議や選挙に積極的に参加することだ。一個人の独断と偏見で全ての物事が決定する独裁体制とは対照的に、民主主義は一個人の意見を物事に反映する受け皿をもったシステムである。これは何も政治にのみ適合する話ではない。私は以前、学校の文化祭の討論会に書記として参加したことがある。姉妹校のインターナショナルスクールや他校の生徒などを招いて行ったのだが、自分の価値観が一新させられる体験をした。私はそれまでテレビで討論会などがやっていても、全く興味が無く鼻であしらうタイプだったのだが(笑)互いに意見を共有することによって、第三の新たな考えが生まれるということを実感することができた。(複数の方法Ⅰ)(ユーモア表現)
 第二の方法としては、民度を高めることだ。十四カ条の平和原則を提唱し、国際連盟設立の立役者となったアメリカ合衆国のウィルソン大統領も、必死にアメリカの国際連盟加盟を訴えたが、結局上院の反対により、アメリカを国際連盟に加盟させることはできなかった。モンロー主義を唱える当時のアメリカにとって、国際連盟加盟が非常に耳障りなものであったのは確かだが、第一次世界大戦直後の国際平和的風潮が高まる世界にとって、アメリカの国際連盟加盟が重要なポイントであったことも、また確かである。世論に大きな影響を受ける民主主義において、いかに優秀なリーダーがいたとしても、それを理解し受容できるだけの国民がいなければ、民主主義の大衆の意見が取り入れられるという利点は欠点になってしまう。民主主義の価値は、そのシステムを使う人間に委ねられているといっても、過言ではない。(複数の方法Ⅱ)
 確かに、民主主義は効率の良い仕組みではないし、様々な自由を創り出す反面、多くの失敗も経験してきた。しかし、大衆の人数が増えれば増えるほど、案ずるより産むが難し。物事を運営する際に重要なのは効率よりも計画性である。どんなに良い案であっても、それを実行する計画が甘かったら、それに費やした時間は無駄な時間となり、ますます効率が悪くなる。また、民主主義という社会の風潮をそのまま反映し、社会を次々に変貌させていくこのシステムを操るにあたって、普段以上の慎重さが求められるのは当然のことである。民主主義とは、自由でもなく平等でもなく、未知の可能性である。その可能性をどの方向に動かしていくか、それが民主主義社会でジーパンを履いて生きる私たちに問われているのだ。(ことわざ)(反対意見の理解)(自作名言)(書き出しの結び)
                    

                     
                  

   講評   nane

 第一段落の状況説明が密度濃く書けている。ジーパンとヒトラーの二つの話に、民主主義の異なる面を見たんだね。
 異なる意見によって新しい意見が生まれるという体験は貴重。人間は一人で考えていると、視野が限られる。異なる立場からの意見を聞くことによって、自分の考えも深まるということはよくある。たぶん、子供のころからこういう経験をたくさん積むことが民主主義の基礎になるのだろうね。
 「民主主義の価値は、そのシステムを使う人間に委ねられている」は名言になっている。「民主主義とは、自由でもなく平等でもなく、未知の可能性である」は、雰囲気はいいが、意味が取りにくいのでもう一工夫。「それが民主主義社会でジーパンを履いて生きる私たちに問われているのだ」はうまい。
 文章がかなりうまくなっている。更に考えを深めよう。
 画像がよくわからないけど(笑)

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