低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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平和を願うことの大切さ ナトキン
慰霊祭のたびに完了たちの挨拶がある。「・・・皆様の尊い犠牲の上に今の平和があることを決して忘れず・・・」という言い回しを何度か聞いた。そのたびにそれは違うと思った。犠牲がなければ今の平和がなかったわけではないだろう。誰だって同胞たちの死を無駄にしたくない。意味のある崇高な死とみなしたい。しかし、無駄と認めないのは、自分たち人間のおろかさ糊塗することに他ならない。数百人の犠牲の上にしか二十世紀後半の平和が成立しないにだとしたら、そんな平和はいらない。死者たちの上に築かれた平和を楽しむ資格など誰にもないではないか。覚悟の犠牲ではなく無念の死であったという前提から考えない限り、また同じことが繰り返されるだろう。
確かに、戦争の悲劇や悲しみを後の世の中に語り継ぐこと、そしてそのたびに反省することは大切なことである。戦争のことを反省するということは、当然当たり前のことではあるが、ちゃんと反省することで、後の行動が変わってくるからである。例えば戦争の傷跡をわざと残しておいて、改めて過去を見直して反省するために、広島県に有る原爆ドームや原爆記念館などが挙げられる。わざと日本が戦争したことを後世に残すことで、いつでも反省することができ、また、もう二度と戦争しないということうを誓った証拠でもある。
しかし、過去に戦争したことを反省することも大切ではあるが、過去に戦争を行ったという事実は変えることができる訳ではない。だからどのようにしたら戦争がおきないか、戦争にならないかを考えて、対策を考えることも大切である。つまり、反省することよりもどうすればもう二度と戦争がおきないかを工夫するほうが大切であるということである。例えばなんかのドラマなどで会社員がなんらかの失敗をしてしまったときに上司に対して「ごめんなさい、ごめんなさい。」といったように平謝りしてばかりいる場面などを良く見かけるが、あれではだめなのである。いちいち長々とただ謝っているだけならば、そんなことをしている間に次はどのようにすればそのような失敗をすることがないかを考えるほうが大切であるということである。猿かに合戦の時のかにもどうすれば勝てるかを細かく考えたからこそ勝てたわけであり、何もしなかった猿が負けたといったわけである。
このように、戦争のことを深く反省することも、どうすれば戦争にならないかを考えることも両方大切なことである。しかし、なによりも大切なことは、「知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」と言う名言があるように、大切なことは、戦争云々ではなくて、平和でありたいという強い願いである。
講評 takeko
おお、今回もまたうまく書けましたね!「意見A」と「意見B」、自分なりによく消化できています。実例が適切になっています。
「要約」のあと「意見A」、「戦争の傷跡をわざと残しておく」これはいいですね! 「慰霊祭」もそういう場所で行われるわけですから、長文の内容とも結びついています。
「意見B」この例がおもしろい! たしかに、平謝りではまた次に失敗するかもしれませんね。「とにかく、頭を下げておきさえすればいいや」ではいけないわけです。(もちろん、あやまることも大切ですが・・・)平和を考えるときも、平和でない状態がいかに悲惨か、と情にうったえる面と、平和を築くためにはどうしたらいいのか、知力で考える面が両方とも必要だし、過去と未来両面に目を向けることが必要なのですよね。
昔話実例、名言、総合化の主題もヒントを参考にきれいにまとめました。
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