創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   反省するばっかりじゃ報われません   メロディ・ブルー

誰だって同胞たちの死を無駄だと思いたくない。意義のある崇高な死と思いたい。しかし無駄だと認めないのは、自分達人間の愚かさを糊塗することに他ならない。太平洋戦争で出た数百万の犠牲の上にしか二十世紀後半の平和が成立しないのだとしたら、そんな平和はいらない。死者達の上に築かれた平和を楽しむ資格など誰にも無いではないか。覚悟の犠牲では無く無念の死であったと云う前提から考えない限り、また同じことが繰り返されるだろう。あの時広島へ原爆投下していなければ本土上陸作戦で沢山のアメリカの若者が死んだし、日本側の犠牲も多かった筈であるとし、未だアメリカには原爆使用の正当性を言い張る人々が多い様だ。これに対して日本側からは何の反論も出て居ない。もし原爆が落とされなかった場合の太平洋戦争の結末。回想録の類も出尽くしているというのに其れについての調査研究は行われていない。こうして責任の所在を誤魔化す卑怯者ばかりが生き残っていたとしたら、いかに慰霊祭を重ねようが死者達は浮かばれないだろう。
広島、長崎等では毎年慰霊祭が行われているが、戦争の恐ろしさを後世に迄伝え、二度と戦争が起こらない様に反省しなければならないという意見がある。私は勉強が嫌いである為普段殆ど真面目に勉強をしていない。そしてよく私は数学や英語のテストで酷い点数を取り、補習にかかる。言うまでも無いが、これは私が何故この問題を間違えたのか、何を覚えて居なかったのがいけなかったのか全く見直していないから。——つまりは反省をしていなからである。ある日、それに見かねた(と思われる)担任が私に勉強について呼び出しを食らわせたり毎週宿題を見せろと言ってきたりパソコンの時間を制限されたり、そんな面倒事が続いた。「やばい、これ繰り返してたら私人生終わる…!」危機感を抱いた私は、前のテストの悪かった部分、自分に足りない部分を見直し、結構真面目にテスト勉強をやってみた。すると、まだまだ普通とは言えないが前回のテスト結果よりは成績が向上したのである。一番有り得ない点数を取ってしまったと思われる生物は、平均点を取ることが出来たし、苦手だと思っていた地理やら他の科目も自分にとっては高得点が取れていた。かくして、私はやってはいけないことや世間的にあまり良いとはいえないことをやらかしてしまった場合は殊勝に反省をすることが大切だと悟った。
しかし、慰霊祭をするよりもう二度と戦争が起こらない様に何かしらの調査研究等を行うべきではないかという意見もある。つまり反省はそこそこにしておいてさっさと戦争を食い止める為の手を打てということである。例えば2007年は会社の食品偽装等が目立った年であったが、白い恋人で知られる石屋製菓もその中の一つの会社である。賞味期限の改竄、アイスクリームやバームクーヘンの一部から食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌などが検出されていたことが判明。その後の白い恋人を食べてみた私からしてみればその後の対応がちゃんとしていると思う。「反省していますよ」と石屋製菓のホームページには安心・安全の取り組みというコンテンツが設置されているが、このような食品偽装問題で一番大切なことは、反省をどれだけやったかということではなく食の安全を確保することではないのか。最近では食品不正表示が発覚した船場吉兆が早々と営業再開したことについて消費者は「ちょっと早すぎるのではないか」という意見が飛び交っている様だが、如何してそれだけ早く食の安全の確保から社内のコンプライアンスを作り上げること迄やってのけたと捉えることが出来ないのだろうか。深く反省することに気を取られている時間なんて、食品偽装をやってしまった会社にとっては皆無であると思う。
二つの意見、どちらとも大切なことである。反省しなければそれを二度とやってはならない様に手を打つことなんて出来ないし、反省していても対策を実行しなければ最初と何一つ変わっていない。知識がはしごを作ったのでは無く、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだという様に、一番大切なことは平和を愛し求め続ける強い意志を持ち続けることなのである。

   講評   koni



【第一段落】 すばらしい要約です。

【第二段落】 一つ目の意見を挙げて、体験実例を書くことができました。この体験実例は、とてもいい。ぴったりだね。補習の網に引っかかったところから、反省し、努力し、結果を残すまで流れをコミカルに説明できています。周りの人の反応をちょっと皮肉っぽく書いたところに、ユーモアがあるよ。「かくして」の文で、引き締めたところがさらにいい。

【第三段落】 二つ目の意見を挙げて、社会実例を書くことができましたね。「一番大切なことは、反省をどれだけやったかということではなく食の安全を確保することではないのか。」という文が、効果的。全部の流れをここで終結させているところがいい。

【第四段落】 まとめは、ばっちり。最後に「平和」という言葉を使ったところがいい。テーマを大きく捉え、自分の問題として考え、最後にテーマに戻ってまとめることができています。


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