創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日0 今日2565 合計2565
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   自分らしさ振る舞い   光龍

 ホテルのロビーでは「ボーイにむこうからやって来させる」のでなければいけない。それが一流ホテルのロビーを利用する、一流の客のやり方なのだ。そこで、次の日から早速これを試みることになるのだが、簡単なようでこれがなかなかできない。指をちらりと持ち上げた程度では、ボーイなんか来てくれやしないのだ。しかし、飲み屋でおねえちゃんに焼き鳥を頼むのではないから、「おーい」と叫んだり、パチパチと手をたたいたりするわけにはいかない。ロビーに入ってきた時に、あらかじめボーイに注目させておき、その一挙手一投足に意味を持たせておいて、タイミングよくちらりとやらないと、これは空を切る。ただし、難しいだけにこれが成功した時の感動は、えも言われない。ホテルのロビーにいることの、奥儀に達したのだという気がするのである。
 確かに、自分らしさは大切だ。なぜなら、人一人一人には、自分に合う良さがあるからだ。例えば、あの芸能人はあの髪形が格好よいので、真似してみよう、と思って真似してみても、似合うとは限らない。僕は来週実力テストなのだが、みんなが勉強していない冬休みから、テスト勉強をしていた頭の良い子がいた。僕もその子に言われて、早めに勉強を始めたのだが、日々努力することによって、良い成績を取れるのだと思う。このあいだ、みんなが、「バイオ・ハザード」や「アイ・アム・レジェンド」などの映画を見に行かないか、などと誘ってきたが、ホラーっぽい映画が苦手な僕は、断った。すると、
「えー、面白いのに。何で見ないの?」などと言われた。人には、一つ一つ自分の意見があるのだから、別にいいじゃないか、と思った。これも、相手の意見を考えていない例だろう。
 しかし、その場に応じた振る舞いも大切だ。「エンタの神様」という番組に出てくる「桜塚やっくん」というお笑い芸人のネタは、紙芝居を持ったやっくんが、観客数人を指名し、そこにセリフを入れていってもらうというものなのだ。このネタは、観客がその場に応じた振る舞いをできるかどうかが、キーポイントとなってくる。「エンタの神様」を見に行くのであれば、その場に応じた振る舞いを取れるようにしないと、せっかくの盛り上がっていた空気をぶち壊しにしてしまうことになる。去年流行語になった「KY」(空気読めない)も、その場に応じた振る舞いが出来ないことについて作られた言葉だろう。「こぶとりじいさん」もその場に応じて、鬼の前で踊ったから、生き残った。もし、踊るのをためらったりしていたら、鬼に殺されてしまっていただろう。
 確かに、自分らしさも、その場に応じた振る舞いをすることも大切だ。しかし、自分らしさを貫きすぎて、他の人に迷惑をかけるのも、その場に応じた振る舞いをしようとしすぎて、自分らしさが出せないのも良くはない。つまり一番大切なのは、「家は、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである。」という名言があるように、周囲の人に対して思いやりがあるかどうか、それが大切なのだ。

   講評   tama

 中学生くらいになると、人の目が気になり始め、どのようにふるまうべきかがわからなくなることもあるでしょう。自分らしく、個性を発揮することは、もちろん大切です。しかしTPOに合わせた服装や言葉遣いを意識することができなければ、社会からつまはじきにされてしまいます。周囲に対する思いやりを忘れず、この両方をさらりとやってのけることができるのが、本当の「大人」なのではないでしょうか。

【体験実例・昔話実例】  周囲に流されず、やるべきことはやり、嫌なものは嫌だとはっきり言える光龍くんは、とても立派だと思います。何でも人と同じではおもしろくないですものね。
 昨年の流行語「KY」を使い、人気のテレビ番組の例を入れたところは、現代っ子らしくていいですね。多くの人が興味を持ち、納得しそうな話題を選ぶことができるのも、才能の一つだと思います。このあと、「こぶとりじいさん」の昔話につなげるテクニックにも脱帽です。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)