低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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平和を守るために…… 空
慰霊祭の官僚の挨拶で、「……みなさまの尊い犠牲の上に今の平和があることを決して忘れず……」という言い回しを何度か聞いた。しかし、犠牲がなければ今の平和がなかったというわけではないだろう。そもそも、その戦争の時期に誰にどれだけの権力・指揮力があったのか。五十年も経ったのに、その程度のシミュレーションを誰もしていない。当時高い地位にいたくせに責任をごまかす卑怯者ばかりが生き残ったとしたら、いかに慰霊祭を重ねても若い死者達は浮かばれないだろう。わたしたちは、二度とそのような悲惨な戦争が起こらないような調査や研究をするべきではないか。
慰霊祭は、多くの人たちが戦争で亡くなった事実を現代でも忘れず、「戦争なんて二度と起こしてはいけない」という反省の気持ちを伝えていくためにあるのだと思う。確かに、そのように戦争の悲惨さを伝え、反省することは大切だ。深く反省をすることは、次にまた同じ過ちを犯さないように気をつけようとする気持ちにもつながる。少しジャンルは違うが、身近な例をあげてみよう。わたしは中一のときの数学のテストで、ものすごくもったいない間違いをしてしまったことがある。(ここでは書かないが……)その間違いだけでずいぶん点数を取り損ねてしまったため、わたしはとてもショックを受けた。そして、「今度は絶対にこんな間違いはしない!!」と、強く反省&決意した。そして、その気持ちが根を張ったためか、それからは全くそのような間違いはしなくなった。もし、その時に何も感じず反省もせずにいたら、それから何度も同じ間違いをしていただろう。心の中で強く思うだけでも、実際の行動に強く影響するということだ。
しかし、心の中で思うだけではなく、実際に対策を立てて行動を起こすことも必要だ。やはり気持ちだけでは限界があるし、行動しなければどうにもならないこともあるからだ。昔話を例とすると、「三びきのこぶた」が良い例ではないか。自分の家をつくることになった三びきのこぶたの兄弟たち。長男のこぶたは面倒くさがりやなのでワラの家ですませ、次男のこぶたは木の家をつくる。三男のこぶたは努力家だったのでレンガの家をつくった。そこへオオカミがやってきて、長男と次男の家をあっという間に壊してしまう。しかし、三男の家はレンガでできていて丈夫なため、なかなか壊すことができない。しびれを切らしたオオカミが煙突から入ろうとすると、下にはお湯が沸いていて逆にやられてしまう……という話だ。この昔話にでてくる三男のこぶたは、きっとこうなることを前もって予想してレンガの家をつくったのだろう。その結果、三男は何の被害も受けずに済んだのだ。このように、あらかじめ対策を立てて実行することももちろん大切だろう。
反省も実行も、どちらも確かに必要だろう。しかし、一番大切なことは、わたしたち一人一人が平和を愛する心を持ち続けることだと思う。「上天気の日に、嵐のことなど考えてもみないのは、人間共通の弱点である。」という名言がある。わたしたちの住む日本は今は平和だが、いつそれが破られるか分からない。今も、小さいことでいいから少しずつ行動を起こすことがいつか実を結ぶのではないか。「真によいことは、新聞に大きな騒ぎを起こすことなく、小さく始まる。」
講評 inoko
空さん、こんにちは。
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