創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日2259 今日1253 合計6125
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   〔ガラクタ〕は宝物だ!   本因坊

「あっ、それ捨てないで!」「これとこれはごみ箱行き!」
いつでも掃除のときになるとすぐこうなる。雲行きが悪くなる。そして、母の顔が、だんだんと鬼になっていく。そして大声でこれを捨てろこれはいらないといい、今度は雨が降り出す。嫌である。もっとひどいときは雷が落ちる。そして、僕と弟の宝物達は、ごみ箱の中へ消えていく。捨てないでよう。やめてよう。そう宝物達がいっているのを無視して。そして、ごみ箱に入ったあとは、助けて欲しい気持ちと恨む気持ちが半々なのだろうか。恨めしそうな目で、こちらを見つめている。すると、捨てたくない、という気持ちにかられる。そして救助する。すると、それまでの恨めしそうな目はぱっと明るくなってにこにこする。その瞬間が嬉しいのだ。そんな宝物達。大人にとっては邪魔で無意味でくだらない〔ガラクタ〕に思えるかもしれないが、実は、そうではない。立派な宝物国の一員なのだ。それを捨てる、なんてことをしたら。仲間達も皆悲しむだろう。一人の人間がたくさんの宝物達の心を傷つけるのだ。
 ところで、僕の宝物のが何なのかの話をしていなかった。僕は、鉄道物が好きである。この間、鉄道博物館にも行ってきた。その時買ってもらった鉄道カード、別の機会で買ってもらった時刻表、さらには方向幕や停車駅表まである。この宝物達は、僕の宝物国の王の地位にあたる。それほど僕が大切にしているものだ。そんな大切な宝物を捨てられた時、どんな気分になるだろう。僕だったら、周りを真っ黒な雲が取り巻くような気分になる。そして、悲しくなる。母もそのような体験をしたことがないのだろうか。
 僕は、水清ければ魚住まずというように、あまり片付いた部屋は嫌いだ。何もない、それが嫌いだ。何もないくらいだったら、足の踏み場もないままにしておいた方がいい。その方が自分が宝物国に来ているかのように感じる。その方が、心が落ち着く。怒られた時。そんな時、部屋が綺麗だったらどうだろう。寂しい気持ちがしてくるではないか。それが散らかしたままだと、仲間達が助けてくれるような気がする。
 大人は、自分の考えだけで、物事を進めすぎだ。子供の意見も聞かずに、宝物を捨てていく。部屋を綺麗にするため、といっているが、それでは、寂しくなって仲間が減って、損しかしない。そのことを考えないのだろうか。その位は考えてもらいたい。大人には、このことをよく理解してもらいたい。そのことが良く分かった。
 「ごみ箱行きは絶対なしだ!」

   講評   nane

 宝物の気持ちをよく考えて書いた。これは、小学5年生のころでないと書けない貴重な作文だね。
 大人になると、人間はだんだんこういう宝物のことを忘れてしまう。大人の宝物は、より現実的なものになる。例えば現金(笑)。
 鉄道物が宝物というのは、やはり男の子の特徴で、女の子やお母さんは、そういう気持ちはわからないことが多い。逆に、お母さんが宝物と思っているものは、男の子にはわかりにくい。今度、お母さんやお父さんにも聞いてみるといいよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)