創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   閉鎖の連鎖   一休さん

 「マッチ一本、火事の元」とはよくいったもので、火は草木に燃え移ると大変危険である。私の近所にある公園は火を焚く行為が禁止されている。やはりこの規則は行政側が危害を見越して定めたものだろうが、危険が冒される可能性を言い出すと公園内で走り回ることすらできなくなってしまうだろう。このように公園がとても閉鎖的であるのは、日本の平安時代の貴族が生み出した寝殿造りの観賞用の庭が関係していると思われる。公園に限らず日本人は洗練を好むために閉鎖的である。だから私は人々は閉鎖的な姿勢ではなく開放的かつ公共的なを姿勢をとるべきだと思う。
 その第一の方法は失敗や危険を恐れないことだ。これらを恐れていては閉鎖空間から外に出ることは難しいだろう。良い例として日本の図書館がある。ここでは本を貸すという業務上、誰かが本を破損したり、紛失する危険性は大いにあり得る。この公共機関がこれらの危険を恐れた場合すぐに文字通り閉鎖されるだろう。にもかかわらず厳しい管理の下で本の貸借は行なわれている。もちろん紛失などの失態を起こした人には賠償を求めたり、貸し出し禁止の処置を施すことができるが、この図書館という施設は実に公共的であると呼べよう。しかし比べて私はある点で閉鎖的である。最近では多くの店に取り入れられたポイントカード制度は私をどうしても閉鎖的にさせる。言わずもがな、ポイントカードとはポイントを貯めてその貯蓄で何かと交換できるわけだが、私が通い詰めてる電気店はポイントを現金として使うことができる。購入額の一割がポイントとなるその店ではポイントを使う時はポイントが加算されない。だから私はとても悩み苦しむのである。というのも、額が大きい時にポイントを使えばそれだけ損が多くなると考えるからだ。しかし電気店ではあまり小さな額の商品を買う機会は少ない。だからカードにはポイントが貯まるばかりなのである。この閉鎖的な姿勢は今はあまり影響していないが、店の倒産やカードの紛失といったハプニングが起きた場合は多大なる害を被るだろう。だが、私はその可能性を危惧しながらもポイントを使えないのであった。このように危険を冒さないことが危険に直結している場合もあるのだ。
 その第二の方法は開放や公共の利点を知ることだ。先程も述べた私の近所の公園は火こそ禁止だが、夏祭りが毎年開かれている。小さな公園だが町内会を主体として多くの人々が集合する。そこで何が行なわれるかというと楽しむことの他に交流を深めたり、情報を交換することができる。これが公共にした時の利点であろう。実際、歴史的にもこの公共的な広場は重視されており、地中海世界ではアゴラという形で、そしてフランスではカフェという形で残っている。この広場によって現代の高度な文明が存在しているといっても過言ではない。(歴史)
 確かに混乱を避けるために自閉的になるのは仕方がない日本人の性質と呼べる。江戸時代の鎖国を見れば明らかだ。しかし同時代に西洋では公共的な場を設け様々な文化を形成していたのである。鎖国によって元禄文化などの世界では貴重な文化は誕生したものの、明治では懸命に西洋の後を追いかけることとなった。やはり閉鎖的では得られないものが存在しているのだ。「閉鎖的な姿勢をとる者は自身の強みが弱みとなる」(名言)自らが自信を持って洗練されて完璧といえるものは他者から見ればただのものに過ぎない。あまり閉鎖的だと他人から閉鎖されるのはもちろん自分の首を閉鎖することになるのだ。だから私は人々は閉鎖的な姿勢ではなく開放的かつ公共的な姿勢をとるべきだと思う。

   講評   nane

 冒頭の状況実例から意見までスムーズ。自然に書いているね。
 電気屋さんポイント制は、面白い例を考えた(笑)。ここの分量は、もっと短めでもいいかも。更に、チャレンジの体験が入ると面白い。つまり、自分から進んで何かをしたとか、それで成果があったというような例ね。
 公共の利点の例は、社会的に考えたね。歴史の例というか、この前の地理のレポートのための勉強なども実例として生かしていくといいよ。みんなが普通に知っている話ではなく、自分で調べたからこそわかるような例が入ると実例に価値が出てくる。
 「閉鎖的な姿勢をとる者は自身の強みが弱みとなる」の名言は、まだちょっと苦しいかなあ。
 今度、おすすめ図書をリスト化するから、読書をがんばっていこう。


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