低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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真に価値のあるものを見つけるために かつこ
現代の日本には様々な情報が飛び交っている。テレビを点けたら何時でもニュースが見れ、新聞は毎日ポストに配達されるし、また最近ではインターネットでもニュースは毎日更新される。私達一般大衆はそれを疑い様のない真実だと信じて見ている。しかし、その確証はどこにもない。もしかしたらメディアが流している情報と現実には差があるかも知れないし、また、それによって私達の思想は操作されているのかも知れない。与えられた情報の表面だけをなぞっていては、真に価値ある情報を見つけることはできないと私は思う。
日々更新される夥しい量の情報を蛇口から出る水に例えるとするならば、自分に関係のある情報とはその中の水一滴でしかない。毎日流れている情報は、その殆どが自分には直接関係のないものばかりなので、私達は蛇口の栓を閉めずに垂れ流している。しかし、その流れる水に気をとられて、いざ必要なその水一滴分の情報が来たときに私達は他の栓を閉めることが出来ず、垂れ流してしまう。例えば、授業がもうすぐ終わるという頃、先生はテストの範囲を指定する。しかし、私は授業を聞くことに疲れてきて、その時はもう上の空で何も聞いていない。そして気付いたときにはもう後の祭りとなっている。本当に必要な情報は、欲しいと思ったときにやってくる訳ではないのだ。私達が望んでいるものは意外と小さく、目立たないところにあるのではないだろうか。
私はよく推理小説を読むのだが、推理小説の犯人の何気ない言動や仕草には、矛盾があることが多い。主人公はその矛盾点を見出して事件を解決する訳だが、読んでいる私は全くそれに気がつかない。これは、私達の普段の生活についても同じ事が言えるのではないだろうか。私達が必要としているものは、日々の何気ない生活の中に潜んでいる。私達は、その「何気ない」に注目しなければならないのだと思う。
確かに、私達は今世間でどんな大きな事件が起こっているのか、何が話題となっているかは知らなければならない。しかし、真に価値ある情報は、意外と目のつきにくいところにあるものだ。それは情報に限らない。どんなに有名なものでも、自分が本当に必要としているものは意外と小さく、平凡なのかもしれない。だから私達は何が自分にとって有益なのか、またはそうでないのかをはっきりと見分けられる力をつけなければならない。自分に不必要なものを取らないことは、本当に必要とするものを得るための最初の条件なのだから。
講評 nane
全体の構成は、意見+複数の理由。理由が先に来て、実例があとから入ると、読み手にとって理解しやすい流れになるからね。
テストの範囲の実例は、微妙で具体的なところが面白い。そういう行間のような時間が、じつは重要なのだろうね。サッカーなどでも、点を入れたあとにちょっと気が緩んだ隙に逆転されるときがあるし(笑)。
第二段落、第三段落とも、それぞれの段落の結びの文を、段落の頭に入れていく形が「意見+理由」の書き方。
今日は、テーマに燃えるものがなかったせいか、字数がもう一歩。こういうときは、反論をじっくり考えていくと情熱的に書ける。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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