低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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戦争の避け方 光龍
ヒロシマへの原爆投下の正当性を言い張る人々がまだアメリカには多いようだ。つまり、あそこで原爆を使わなければ本土上陸作戦でたくさんのアメリカの若者が死んだし、日本側の犠牲も多かったはずだという論法。これに対して、日本の側から何の反論も出てこないのはなぜだろう。ヒロシマとナガサキに原爆が落とされなかったと仮定して、いったい大日本帝国はどこまで抵抗したか。軍の指揮系統はどの程度混乱していたのか、天皇はどこで収拾を図り得たか。だいたいあの時期には誰にどれだけの権力・指揮力があったのか。戦争で死んだ人々の大半は若かった。高い地位にいたくせに責任の所在をごまかす卑怯者ばかりが生き残ったとしたら、いかに慰霊祭を重ねても若い死者たちは浮かばれないだろう。戦後、各論として名誉の破片を拾う本はたくさん出たが、究極の責任を問う史書はまだ出ていない。だから、原爆投下に対しても決定的な反論ができない。
戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ、反省することは大切だ。深く反省することは、新しい出発の土台となるからだ。僕は出来るだけテストやプリントで一度間違えた問題は間違えないようにしている。これも、深く反省し、次から気を付けるという大切なことの一つだ。
僕のおじいちゃんは、広島に原爆が落とされた時に、中学二年生だった。広島の100キロ東に住んでいて、原爆の爆風で、窓ガラスがすべて割れたらしい。それで1〜2週間たって、広島市にある自宅が大丈夫かどうか見に行った時、焼け野原を歩いたことにより放射線を浴びて、原爆被災者手帳をもらったと言っていた。今まで、放射線の影響で病気になった等はないが、これからも健康であることを願うのみだ。しかし、戦争の悲惨さを日本人が訴えているのに、何故アメリカやイラク、アフガニスタン等の国は戦争をやめないのだろうか。
しかし、どうしたら戦争にならないかを論理的に考え、対策を立てることも大切だ。なぜなら、一度失敗したことを繰り返してしまうことほど、格好悪いことはないからだ。アメリカは、イラク戦争が始まったのは、同時多発テロが原因だというだろう。しかし、アメリカは、イラクやアフガニスタンの人々に不快なことをしてしまった。その結果、同時多発テロが起こったとは、考えられないだろうか。この失敗を、二度と繰り返さないということが、世界の平和へとつながると思う。「ねずみのそうだん」という話でも、ネズミ達は猫と、どうしたら戦争にならないかについて話していた。どの時代でも戦いは避けたいものなのだ。
確かに、戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ反省することも、どうしたら戦争にならないかを論理的に考え、対策を立てることも大切だ。しかし、「短所をなくすいちばんよい方法は、今ある長所を伸ばすことである。」という名言があるように、戦争について考えるのではなく、永遠に平和が続けようとする努力が大切なのだ。つまり、一番大切なのはこの平和を意識して生きることなのだ。
講評 tama
筋の通った意見と豊かな表現力で、最後までしっかりと書き上げることができました。「大人の意見」が述べられているところには、本当に感心させられます。今月もよく頑張りました。
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