低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
結果 いほめ
学校の雰囲気、見た目、景色、当然だが全てが小学校とは違う。こんな風に思えるほど冷静でいられるとは思ってもみなかった。今まで何度かしてきた過去問。そのときでさえする前は少し緊張していた。それなのに、今はそれさえもない。ここに来る前に少し緊張した、とその程度だ。正直、この場に着たら緊張すると思っていた。この場、中学校———試験会場に来た時には。
目の前にある白い紙。まだ数字のあいだをさまよっている時計。その部屋に居る人たちは静かに、ただ待ちつづけている。決まったリズムの音が響く。その途端に部屋に居るものがみな目の前の紙をめくった。過去問をしている時と同じようで違う緊張感。みな目の前のもの、テストに集中している。もちろん私も集中していた。今までしてきたどの過去問よりも集中していたと思う(本番なのであたりまえだが)。1教科終わるごとに、心の枷が取れたような、不安という形で新たに加わったような、微妙な感覚がした。帰り道。来る前は緊張していたのに本番中は普通で、良かったのか悪かったのかよく分からなくなったりもした。心配していたのに、こんな風にふつうに受けられて本当に大丈夫なのかは、結果が出てからではないと分からない。それまではこんなことは忘れて、楽しく待つとしよう。それこそ緊張の結果を。
静まりかえった部屋にお茶を点てる音だけが聴こえている。その場にいる人数は約十七人(生徒約十五人と先生二人)だ。今はクラブの時間で、私は茶道クラブだ。そして今日は私を入れて三人でお茶を点てる日だ。私はお茶を点てるのはこれが初めてで、しかも初釜の時だったため、余計に緊張していた。他の部員がお菓子を食べている時、お茶を点ててそれを運んでもらう・・・。今までお茶おたてているところは何度か見ているため、やり方は分かっているのだが、前に出てみると異様に緊張する。お湯を入れて、いよいよ点てていると、もっと勢いよく、と言われてしまった。このときは、初めてだったため、余り良くわからなかったが、三回点てるとなんとなく分かったような気がしてきた(上手く出来たかは別として)。人の前でお茶を点てることは緊張したが、点てることは楽しかったので点てることができ、良かったと思う。
緊張は人間にとって力を出すための引き金である。
緊張をしても、結局は自分の力を出すことができ、結果的には緊張はしてもいいことになると思う。後悔後先に立たず。自分の力を出来る限りだした試験の結果はそれから約三日後に届いた。(書き出しの結び)
講評 jun
情景描写の上手な作文です。試験の緊張感とお茶を点てるときの緊張感がじりじりと伝わってきました。
「緊張は力を出すための引き金」とはそのとおりですね。
結びも工夫しました。入試合格、おめでとう!
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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