創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分の意志   AZUKI

 学校は小さな社会とは、よく言ったものだ。社会と同じように、上下関係やルールがある。そして物事も流行ったりすたったりする。私の所属しているクラスは、流行に敏感だ。ドラマやファッション、流行語などもいち早く使い始めていた。しかし、流行るのも早いが、廃るのも早い。耳が遅い私が聞きつけることには、もうそれはクラス中で『古いモノ』として扱われている。
 文化のコードに沿うのはいいことだと言う意見がある。(複数の意見一)社会の仕組みに同調するのは当然のことであり、義務でもあるからだ。社会は時々犯罪というゆがみを起こしながらも、十分円滑に回っていく。それは皆が文化のコードに沿っているからだ。もし皆が好き勝手にやったならどうなるか。それを説明する必要は無いだろう。こういうことがあった。私の学校には、飲み物の自動販売機が置いてある。そこで自由に飲み物を買っていいのだが、それはこの話にあまり関係が無い。時はさかのぼり、夏休み前のこと。私はその自動販売機で飲み物を買い、その近くで飲んでいた。と、そこに上級生がやってきた。千円札をだし、百円の飲み物を買っていた。飲み物が取り出し口から出ると、大急ぎできた道を引き返していった。しばらくしてふと気がついた。今の生徒はおつりを取っていかなかった。慌てて自動販売機に近づこうとしたそのとき、さっきとは違う生徒二人が自動販売機の前に立った。その生徒たちがなにげなくおつりのところを見ると、やはり九百円入っている。「ねぇ、なんだかたくさんお金はいってるよ?」と一人の生徒が言うと、もう一人の生徒も「本当だぁ、どうしたんだろう?」と不思議がっていた。さいしょに発言した方の生徒が冗談半分に「ねぇ、貰っちゃう?」と言った。慌ててとめに入ろうとしたとき、もう一人の生徒が言った。「冗談でも、そういうことはいわないほうがいいと思うよ」と。このあと二人は、そのお金を職員室に持って行くのだ。この中で私はただ見ていただけだ。しかしこの話は、文化のコードに沿うことがよいことだということについて、肯定する要素をもった話だ。
 文化のコードに沿わない方がいいという意見もある。(複数の意見二)文化のコードは言い換えてみれば流行のことだ。流行などすぐに変わる。乗るも自由だが、乗らないのも自由だと考える。今の四十代の人が中学生だったときの流行は、長いスカートにリーゼントヘアー。今ではすっかり漫画の中ぐらいでしかお目にかかれないものになってしまった。それと同様に、今の短いスカートにベッカムへアー(すでに十分古い)も、二十年後から見ると相当古いように見えてならない。浦島太郎の話で、最近疑問に思ったことがある。浦島太郎が竜宮城からかえってきたのを仮に六十年後としよう。回りの風景が変わっていたとあるが、そのときの社会はどうだったのだろう?六十年間は相当長い。将軍が三代ほど変わることだってあるだろう。風景だけでなく、人々の顔がやつれていたなどとは書いていない。とすると、浦島太郎の中では、文化のコードはかなり無視されていると言うことになる。もし無視されていなければ、新しいお触れが出た等、書いてあって不思議でないと思うのだが……。(昔話の実例)
 文化のコードに沿ったほうが良いという意見も、沿わない方が良いという意見もある。しかし一番大切なのは、自分の意思だ。(総合化の主題)意思がしっかりしている人は、流行に乗っているのでも、自分の意志で選んでいるのだ。乗っていない人にも、同じことが言える。意思がしっかりしていなく、周りに流されてばかりだと、いざ流行が去ってしまったときに、どうしようもない空虚な気持ちを味わうことになると思う。「いかに飽きずに続けるかではなく、飽きることと続けることとをいかに両立させるかということが大切だ」という名言は、飽きることも続けることも、自分の意志で選んでいるからいえることだ。(名言の引用)

   講評   jun

 今回の長文は「文化コード」という言葉がキーワードになっていましたが、そのキーワードを盛り込みながら二つの意見を書いていくことができました。実例もユニークです。
 結びの名言の引用もよく考えられています。大切なのは自分の意思で選択するということですね。
                              

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