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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   節分   ゆっきー

 「鬼は外ぉー!」
妹が叫んだ。今日は二月三日の節分だ。今は二回の私と妹の部屋の窓を開け放して、豆を投げている。 
「福はぁ内!」
妹がまた叫ぶ。相変わらずすごいボリュームの声だ。いったいどこからこんな声が出るのか私は知りたい。暖房も入れずに窓を開け放ったため、冷たい風が部屋に入って木って寒い。
「鬼は外!鬼は外!」
弟も妹と負けないくらいの大声で叫ぶ。私も妹と弟に負けないように、大声で叫んだ。
「鬼は外—!」
声を出すと同時に二、三粒の豆を手に取り力を込めて投げる。そして投げた豆を拾う。拾った豆は、口の中に放り込む。『踏まれる前に拾って食べる』これが私の家のやり方だ。私の家では、落花生も使うけれど、今年は、大豆を使った。
「よし。じゃあ次行くぞ」
父が言った。階段を下りて一階へ向かう。その途中階段にもばらばら豆を撒く。
「豆踏むなよー」
父がそう言ったが、もう踏まれた豆が見える。一階の部屋は、もともと汚いので、豆は一部屋に二、三粒撒く。しかし弟は加減というものを知らない。もう寝室に布団が敷いてあろうが容赦なく豆を撒く。
「福は内!福は内!」
弟は嬉しそうに言いながら豆を撒いていた。
「次は廊下だぁ!」
父が言った。二、三粒撒けば十分だと思っていた。ばらばらばら……。大量の豆が落ちる音がした。
「鬼は外。福は内。」
弟が言いながら、豆を投げていた。いや、溢していたと言ったほうが正しいかもしれない。
その後の後片付けがすごく大変だったことは言うまでもない。
 幼稚園のころ節分には落花生を撒いていた。当時私の家では、大豆を撒いていたのでびっくりしていた。落花生は殻をむかないと食べることができないということと、殻を剥けばごみが増えるという欠点があるが落ちても食べる部分は床に触れないといういい点もある。私は、落花生を食べたときすごくおいしいと思った。私の家で食べたことがなかったので、『こんな食べ物もあるんだ』と感心したことがある。しかし、落花生は殻をむかないと食べることができない。しかも皿の上でむかないと殻のくずが床に落ち、掃除するのが大変である。だから弟が幼稚園から落花生を持って帰ってきたときは、部屋が汚れる……と思っていた。案の定落花生のくずが床の上に散らばっていた。しかも投げた落花生がどこに転がっているか分からない。もし落花生を踏んだら、大豆を踏んだときよりもくずの量が増える。毎年節分をした後の豆は、拾うかそのままになるかのどちらかである。たまにあまり行かない部屋に行くと大豆が落ちていることがある。その大豆は、私たちが節分に撒いてそのままの豆なのである。
 私の家では、節分に食べる豆の数を決めない。普通なら年の数+一なのだが私の家ではつまみ食いをするので、みんな年の数を越える。まず私がつまみ食いする。
「お姉ちゃんずるぅい」
妹が言う。
「あたしも食べたいぃ」
仕方がないから私はこう言う。
「あんたも食べればいいじゃん」
この一言でみんなつまみ食いを始める。
「あ、いいんだ」
妹と弟が言う。「ぽりぽり」「もぐもぐ」「ぱくぱく」という音がする。
「鬼は外。もぐもぐ……。」
何気なく豆を食べながら豆を撒いている。どちらかにしてほしいと思う。このようにして豆の数は減っていく。
 人間にとって節分とは一年の厄介ごとを払う日だと言うことがわかった。
「鬼は外。福は内」
今年もよい年でありますように……

   講評   inoko

 ゆっきーさん、こんにちは。
節分が終わり、立春が過ぎ、暦の上では春ですね。でも、まだしばらく寒さが続きそうです。
今年も、日本中の家庭で、豆まきが行われました。節分の夜には、あちこちの家から、「鬼は外、福は内。」の声が聞こえてきます。もともとは中国から伝わった節分が、日本でずっと続いている。季節感を大切にしてきた日本人にとっては、お正月が終わり、春を迎える前の一つの行事としてまさに節目の行事なのですね。落花生をまく話は耳にしたことがありましたが、なるほど、理にかなっていますね。そういえば、宮崎の生徒さんから聞いた話では、あめをまくそうですよ。ですから、豆まきではなく、「あめまき」なのです。
☆ ゆっきー家の豆まきの様子がよくわかりました。弟さんや妹さん、そこにお父さんまで加わって、とてもにぎやかですね。豆をまくのもおもしろいけれど、豆を競い合うように食べるのが、ゆっきー家なのですね。




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