創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   カブトムシの1生   髑髏

                              カブトムシの1生        髑髏
4〜5年前の事です。私の犬友達の叔父さんが、早朝につぼのみ公園へ行って、カブトムシを捕獲してくれました。私は、こんなに間近でカブトムシを見たことが今までなかったので、カブトムシに惚れてしまいました。だから、このカブトムシを家で飼育することにしました。急ぎ足で家に帰って、早速虫かごに入れました。そして、図鑑でカブトムシを調べました。調べた結果、カブトムシを飼育するにはおがくず・昆虫ゼリー・止まり木が必要と判明したので、すぐにホームセンターに行ってそれらを求めました。昆虫ゼリーの味の種類に黒糖とミックスフルーツがあったので、どちらも少しずつ買いました。家に着いて、すぐさまおがくずを虫かごに入れました。カブトムシはまるで人間が布団に潜り込むように、おがくずの中に入ってしまいました。しばらくするとおがくずからカブトムシが出てきました。その姿はトンカツを揚げる1歩手前のようでした。次に、止まり木の中に昆虫ゼリーの黒糖味を入れて虫かごの中にそうっと入れてみました。ゼリーはぷるるんとしていて、匂いはどら焼きの餡に似ていました。私は昆虫がこんなにいい物を食べるなんて! と思いました。カブトムシは少ししか黒糖味のゼリーを食べてくれませんでした。そこで、今度はミックスフルーツ味のゼリーを入れてみました。すると、がつがつと食べてくれたではありませんか! 私はカブトムシにも好き嫌いがあるのかと思いました。父が昔、カブトムシを飼育していた時は、毎日のようにスイカを食べていたようです。毎日ご飯がスイカにも関わらず、スイカに飽きなかったそうです。その部分は犬と似ているなと思いました。なぜなら、犬には毎日ドッグフードをあげているけれど、いつも犬はよだれを垂らして素直に喜んでくれるからです。でも、私が犬だったら、1週間くらいでドッグフードに飽きてしまうと思います。毎日同じ味のご飯だったら、1日の1番最悪の時間がお食事の時間になります。
私の飼育しているカブトムシは目が格別大きくて、体が真っ黒でめちゃめちゃ可愛いです。それなのに、食欲はあまりありません。1日に食べる量はだいたいゼリー1個。友達の飼育しているカブトムシは、1日にゼリー2個半も食べるのに・・・。でも、たまにスイカやキュウリをあげると、人が変わったようにむしゃむしゃ。やっぱりカブトムシは愛らしいです。
飼い始めて1ヶ月。入浴の後、虫かごを覗くとカブトムシがいません! 慌ててパジャマに着替え、捜索開始。2階へ行ってみると、化粧室のドアが微妙に開いています。まさかと思い、化粧室を見てみると・・・。そのまさかでした。便座の1番冷たいところに、カブトムシがいたのです。しかも、もう少しで便器に落ちそうな様子でした。私はびっくりして息が出来なくなりそうになりましたが、やっとの事でカブトムシを引っつかみ虫かごへ戻しました。虫かごへ戻されたカブトムシは不満そうにおがくずの中に潜ってしまいました。それから、虫かごの蓋を閉め忘れるといつもカブトムシは化粧室へ行くようになりました。なぜかは分かりません。でも、便座にいると気持ちいいようです。
その後、カブトムシは2週間で亡くなってしまいました。私は大好きだった、ミックスフルーツ味のゼリーをカブトムシと1緒に埋めてあげました。命を預かるということは、責任重大なことだけど、嬉しいことでもあるんだと思いました。
今日もカブトムシは元気にしているかなと思いながら、私は殺風景の虫かごを見つめました。

   講評   inoko

 髑髏さん、こんにちは。
カブトムシを育てた話も、髑髏さんの手にかかると、何ておもしろいお話になるのでしょう! まず、「トンカツを揚げる一歩手前」で笑い、カブトムシの可愛らしさの表現で感心し、そして、便座を愛してしまったカブトムシに驚き……。虫に個性などなさそうに感じていましたが、なかなかどうして、髑髏さんの飼っていたカブトムシはすてきな個性の持ち主だったのですね。生き物を育てるということは、その命を預かり、命に責任を持つということですね。命の重さや意味というのは、なかなか実感できないものですが、生き物と暮らし、育てることを通してわかるようになりますね。



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