創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   自然のありかた   サニー

私の家の前の路地は、都内にしては珍しく舗装されておらず、道端には草が生えていた。この道は、おじいさんや犬、猫、蛇も通り、実際近所の子供たちのたまり場でもあった。彼らはこの路地で地球のかけらを発見していたのではないか。私自身もコンクリートには飽き飽きしていて、道端に草が生えている風景を、心ひそかに楽しんでいた。しかし人間とは矛盾した考えをする生き物だということが証明される出来ごとがある。人は、ハイキングに行けば「緑がきれいで気持ちがいいわねぇ。」という人も、自分に庭に出てきた雑草は血眼で引き抜いてしまう。<要約>
 僕の学校では、夏に草むしりをする。学年ごとに分かれて一生懸命草を引き抜いていく。
「きたねぇ。ぬけねぇ。やりたくねぇ(笑)。」
と言う人も中にはいるが、ほとんどの人が大きくて邪魔な雑草を汗をかきながら頑張って根こそぎ引き抜いている。見た目がだらしないから抜くというのは一理あるし、抜き終わった後の達成感を覚えるというのもわかる。でも、花壇に生えている雑草は栄養を取ってしまうし、見た目が悪いから抜くというのは別として、気にならないほど小さな雑草まで抜くのは僕はいきすぎていると思う。子供にとっては、少しでも自然に囲まれた生活を送ることができるといいと思う。それに、雑草というものは来年には生えてきてきりがないし、この雑草を放っておいてもたちまち冬には枯れて、やがては土に返るのだ。また、たかが雑草でも、一応は植物なので光合成はする。だから今問題の地球温暖化を、とても微弱だが、食い止めることが出来る。更に、引き抜いた草もやがては焼いて捨てるのだから、それも環境に悪い。僕なら、ブタクサなどの見た目の悪い冬を越す丈夫で大きいものだけを抜いて、低い20cm位の草は放っておく。自然は、見た目も大事だけど、人が手をくわえるよりも、そのままの自然な状態がいい場合もあると思うからだ。
 昔、僕の祖父母が子供の頃、都会にもカブトムシやトンボがたくさんいて、周りには田んぼがたくさんある田舎の町並みだったらしい。しかし今では開発が進んで高層マンションや工場がたくさん出来て、交通網が張り巡らされ、すっかり都会になってしまった。日本は戦後、環境に悪影響を与えながら急速に発展し、人にとって便利な社会になっていった。しかし、これは少し理不尽なような気がする。人のために発展しているのに、人や自然、環境全体に被害を与えている。そして生態系が崩れて人類の危機がやがて訪れるだろう。昔の人は、発展した平和な未来予想図を計画し、実行しようとしただろう。しかし、その次の社会は考えなかったのだろうか。国が発展したら他の代償を払わなければならない。発展するには環境に危機を与えることになる。こんな未来予想図を昔の人は考えなかったのだろうか。今そんな社会の日本は、これまで一気に発展した分、環境に配慮しなければならない。これから世界のすべての人民一人一人がこのことを気にかけて、環境悪化をくい止めなければならない。しかし、そんなことに気にもかけれないほど貧しい国には、発展している国が援助してあげなければならない。もう、地球が危機に陥っているというのに国同士が争っているなんて状況はあってはならない。全ての国が平等で争いのない社会を築かないと、人類だけでなく、地球全体の運命が危ない。
 土とは、環境にとって最終到達地である。草も木も動物も人もやがては土に返り、またそこから新たな生命が生まれる。「やはり野に置け蓮華草」ということわざもあるように、<自然は自然に、人工は人工に>そんな社会が出来るといいと思う。我々人類の都合だけで環境を破壊してはならない。それは結局自分に返ってくるのだから。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! 今回の感想文では、自分の意見を提言として説得力のある書き方で表現できましたね。そのため「思考表現」もとても伸ばすことができました。よく考えられましたね。

 「要約」では、文と文のつなぎ目を意識して書くことができました。バランスもよかったですよ。「体験実例」では、学校での草むしりでの体験を「その人らしい会話」を交えて書くことができていました。「まるで〜のような」を入れるのをうっかり忘れてしまったので「まるで害虫を目の敵にするように小さな雑草まで抜くのは、」のように書けるといいですね。雑草も微量ながら光合成を行うし、冬になれば枯れて土にもどるのだから冬を越す強じんな雑草以外は残してあげるべきだ、というサニーくんの提案はとてもよく伝わってきました。「前の話」では、おじいさんやおばあさんがこどものころの話を思い出してすっかり都会になってしまった周囲の環境を思い、人類の発展から環境悪化が引き起こされ、今は環境を守る取り組みが必要をなっていることをしっかりと説得力のある提言で書けていました。 第四段落もいいまとめ方でした。「草とは、環境にとって最終到達地である。」と「一般化の主題」を書いたあとで「ことわざの引用」をしてしっかりと「我々人類の都合だけで環境を破壊してはならない。それは結局自分に帰ってくるのだから。」と「これからの決意」につなげられました。しっかりと考え抜いて取り組んだ素敵な感想文に仕上がりましたね。

 次は二月十五日(金)に電話をします。「ヨーロッパにおけるリンゴの(感)」を読んでの感想文です。しっかりと長文を音読しておいて下さい。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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