創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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欲望 光龍
僕自身が欲していると思うこと、それは幻想であるにすぎない。より大きな交換価値をもつ記号として皆が欲しているがゆえに、常識を身につけている僕が無意識のうちに欲するようになってしまっているものであるにすぎない。欲望を満たそうとすることは、僕たちを日々仕事に学習にその他さまざまな活動にかりたてる原動力となっているが、他方その欲望を満足させることがあまりにもむずかしく思えるとき、僕の存在の核心にしのびこんだこれらの欲望のいっさいから解放されればどんなに心が休まるだろうか、と思うことになる。そのようなとき、冒頭に述べたように、僕たちは無意識のうちにできるだけ文化という「人の手」の加わらない自然の中に逃れ、あるいは「非社会」的行為の中にかりそめの脱出を試みて、文化のコードによるすさまじい搾取からすこしでも身をまもろうとすることになるのかも知れない。
確かに、自分自身の価値観に従って生きることは大切だ。なぜなら、自分自身の価値観に従わなかったら、自分らしさがなくなってしまうからだ。僕は、Ipodシャッフルの一番の旧型を持っているのだが、他の人達は、最新型のIpodナノを買ったりしたりしている。みんなからは、ダサいなどと言われたりとさんざんだが、僕は新しいのを買う気はまだない。なぜなら、どうせ新しいのが出るなら、今買っても古いものになってしまうからだ。そんなことを繰り返していては、お金がいくらあっても足りない。これは、ゲームなど電化製品にも言えることだ。新しいゲームが出るたびに買っていたら、家の中がゲームであふれたりする。こんな事をしていては、勉強などの自分のすべきことに費やす時間がなくなってしまう。
しかし、その時代の価値観に合わせて行動することも大切だ。例えば、2011年7月24日に地上アナログ放送が停止するのに、デジタル放送対応のテレビを使わないで、古いテレビを使っていたら、テレビが見たいのに見られなくなってしまう。戦国時代の武将として有名な織田信長は、みんなが戦う「下剋上」という風潮に合わせて行動したから、もう少しで天下を取れるというところまでいったのだ。もし、織田信長が、「戦いは嫌いだ」などと言っていたら、すぐに攻め込まれていただろう。「おむすびころりん」のおじいさんも、現在なら、「ネズミが作った料理なんて」などと思うところを、昔ならではの価値観の食べ物を大切にしようと思って行動したのだろう。
確かに自分自身の価値観に従って生きることも、その時代の価値観に合わせて行動することも大切だ。自分自身の価値観に従って生きることで、自分らしさを見つけられる。そして、時代の価値観に合わせて行動することで、みんなとの親睦を深めたりすることが出来る。しかし、「未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある。」という名言がある。この名言のように、今現在のことだけではなくて、未来のことまで視野に入れて行動すること、これが大切なのだ。
講評 tama
世間の価値観に流されず、自分自身の価値観に従うべきだという意見には、光龍くんの芯の強さがうかがえます。周りがどうであれ、自分がよいと思うものを納得のいくまで使い続けることのできる人は、そうはいないと思います。光龍くんらしくて、よい実例を挙げられました。
一方、その時代の価値観に合わせた行動が必要な場合についても考えることができました。アナログ放送終了に関して(近い将来)、また織田信長の天下取り(歴史)、おむすびころりんのおじいさん(昔話)という多彩な実例が、文章に深みを出していますね。
最も大切なのは「未来のことまで視野に入れて行動すること」。とてもよいまとめです。未来にはばたく希望が感じられる、力強い意見です。今回も、文句なく素晴らしい作品でした。
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