『ヨーロッパにおけるリンゴの』の感想文。 実乃介★
欧米のリンゴは大衆の中で育ち、生食用、加工用、料理用と多彩な用途に分かれ、小玉でも外観が悪くても、味がよければよしとするポリシーで今日に至っています。
料理を目でも食べることが身についている日本人にとって、より美しい果物を食べたいというのは国民性といえるかもしれません。
また、すべての食べ物は、見た目に汚いよりはきれいな方が精神衛生にいいことも否定できません。
先日は、乙女の日・バレンタインデーだった。
私はもちろん、クラスの男子には義理でもチョコはあげない。まったく興味がないからだ。
それ以前にもう、大ー好きな人にチョコレートをあげてしまったのだから♪。
男子にはあげないかわりに、私は友チョコを作った。
今年はトリュフにした。一つ、味見をしてみたが意外と美味しくて大成功だった。
ラッピングは、100均だがとても可愛くてオシャレなものをつかった。
ハート型のメモをヒモに通し、そのメモに宛名を書き、そのメモを通したヒモで袋の口をキュッとしめる。
これで、準備は完了だ。
そして、それを学校でこっそり交換こする。
私も友チョコを食べきれないほどもらい、幸せだった。
みんな、可愛いラッピングをしていてあけるのがもったいないくらいであった。
その中でも、一番オシャレで大人っぽいラッピングをしていたのは友達のRちゃんだった。
Rちゃんは、「チョコレートじゃないんだけど、頑張って作ったから食べてね!」と、言って私にお菓子をくれた。
私は家に帰った後、流沙ちゃんからもらったお菓子をあけてみた。
あけたとたん、私はあいた口がふさがらなかった。
「・・・?」
中にはラップで包まれた、黒い物体が入っていた。まるで、土のかたまりのようなものだ。
「何だ、これ・・・」
私は疑問に思いながら、そっと一口かじってみた。
「あぁ、チョコケーキ。」
その味は、ちょっと苦めのチョコケーキだった。
もんのすごい状態で発見されたので、何のお菓子かまったくわからなかった。
『ラッピングはすごく可愛いのに・・・。』
『ラッピングにこんな凝るなら、中身のほうを磨けばいいのに・・・。』
言ってはいけない言葉を、心の中でつぶやいてしまった。
私の親友・Aちゃんは今年、大好きなEくんにチョコレートを渡した。そのチョコは、
ミルクチョコレートを溶かし、細かく砕いたクッキーと混ぜ合わせ、小枝チョコをその上にまぶしたチョコである。
Aちゃんは一人で作るのは大変、といって、私が助っ人にはいることになった。
二人でテンションが上昇したまま、はしゃぎながら作っていた。
葵ちゃんがお腹を抑えて笑い転げたり、クッキーをペットボトルで強くたたきすぎたせいかクッキーがボロッボロになってしまたりと、色々なハプニングが起きてしまった。
とりあえず、チョコレートは完成したがそのチョコを見て言いたくなることはただ、一つ。
『得体の知れないもの』(笑)。
まぁ、何とか味は結構イケていたので私は何も突っ込まなかった。
Aちゃんが用意したラッピングは、英字がたくさん並んでいるとってもオシャレで可愛い袋だった。
「こんな可愛いラッピングで、ドキドキしてあけてみたら中身は『得体の知れないもの』かぁ・・・。
ちょっとしたサギだよなァ。」
そんなことを思いながら、私は黙っていた。
次の日、Aちゃんは勇気を振り絞り、Eくんにチョコを手渡しすることができた。
しかし、変な男子がEくんの金魚のフンになりノコノコとついてきてしまい、噂がたってしまった。
それでもくじけずに堂々と学校に来るAちゃんは偉いと思った。
今度、EくんにAちゃんのチョコはどうだったかと聞いてみようかと思う。
もし、外見のことを言っていたら私は「花より団子だよ。」と、言ってあげたい。
人間にとって、『中身』とは外見よりも大事なものである。