創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日2346 今日1918 合計51828
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   曖昧な言葉   miyahi

 多くの人は世界にあらかじめ何らかの実態があって、それに名前をつけていると思っている。だが、例えば、イヌとネコとかがあらかじめ存在し、それに対してイヌとネコとかの名前をつけているのではなく、イヌとかネコとかの名前がつけられて、初めてイヌとかネコとかの実態があるように見えるのだ。また、科学はコトバはなるべく同一でないと困るのだ。科学はコトバの同一性を求める運動、という性質を持つことになる。コトバが同じなのでコミュニケーションができるのではなく、コミュニケーションができるので、コトバが同じであるかのように錯覚されているのだ。私は、コトバは厳密に定義したほうが良いと思う。
 第一の理由として、言葉が曖昧だと誤解を招くかもしれないからだ。このような事は、私の日常生活の中でよくある事だが、今さっきもこのような事があった。先程夕飯を食べている時、私の誕生日のプレゼントの事で話し合っていた時だった。私はあと一年くらいアメリカに滞在しなければいけないことが分かったので、父と母に新しい携帯電話が欲しいと頼んだ。そして今日の昼、家族で携帯を見に行くと、色々なシステムやお金関係のサービスがこんがらがっていて今日一日では決められなかったので、家で考えてみることになった。そして夕飯の時、父がこの話を切り出し色々と話し合っている時、私がコンブの佃煮を食べようと思い、ご飯の上に少し取った。すると、父が、
「それ好きだったの?」
と言ってきた。私はてっきり携帯のことに関して質問しているのだと思っていたので、
「もちろん好きだよ。買ってくれるの?」
と少し嬉し気に答えたら、
「違うよ。そのコンブのことだよ。」
と言われて、なーんだ、と思った。色々な話をしている時は、曖昧な言葉だと分かりにくい。主語を一々言わなくても通じるのが日本語の長所だが、英語のように、主語と述語を入れたほうが、他のことを話していてもわかりやすいと思う。
 また第二の理由として、厳密な言葉で言えば誰にでも分かりやすいからだ。唯一、世界中で通じるものといえば、数字だ。私の学校の教科書にも、「数学は科学の中で『言語』の役割を果たしている。」と書いてあった。数字は私にとっても便利だった。例えば、まだ私がアメリカに来て間もない頃、友達に、「今何時?」と聞かれた事があった。私は小学5年生だったのと少し緊張していたので声が出なかった。だけど、私の腕時計を見せればわかってもらえるだろう、と思い腕時計を見せてその子に時間を知らせることが出来た。データ実例によると、携帯電話の加入台数は二千二年で七千三百五十一万四千台となっている。私の体験からでもわかるように、言葉や数字を使ったコミュニケーションでは、言葉を厳密に使わなければいけないだろう。
 確かに、単純に言うほうが楽だ。急用が出来てしまい早く行かないといけない時でも、主語をはぶける、という日本語の良いところが生かされる。しかし、「すべてに効く薬は、何にも、たいして効かない」という名言のように、言葉を厳密に使うことで、誤解も招かず、分かりやすくなる。



   講評   ogi

 項目がすべて正しく入って、とてもよく書けています。

<構成> 『言葉が曖昧だと誤解を招く』という第一の理由に対比させて、『厳密な言葉は誰にでもわかりやすい』という第二の理由を述べたのは立派です。とてもよく書けています。また、どちらの実例もわかりやすく的確で、とてもいいですね。
<題材> データ実例は、携帯電話の加入というデータがどうつながるのか、もう少し説明を加えましょう。
<表現><題材> 名言もきちんとはいって、無理なく上手にまとめてあります。次のステップとして、第4段落のまとめの字数を増やすことを、目標にしてみてもいいかもしれませんね。

 次週は長文読解問題がある週です。問題は「読解マラソン」の5番〜8番の中から出題されます。時間のあるときに読んでおきましょう。

    

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)