創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人はもともと複雑だ   れもん

 関わりとは、自ら構築するものではなく、自然に形成されるものである。私の学校では、総合の授業の1年間のテーマが「かかわり」だった。自然や物との関わり、高齢者や世界の子供との関わりなどの活動をしてきたのだが、関わりを意識すればするほど、不自然な気がした。12月に保育園にボランティアに行ったとき驚いたのは、子供の人なつっこさである。初めて会う私たちに興味津々な様子で、会った瞬間から容赦なくじゃれてくる。いつも同い年か年上の人との関わりの多かった私にとって、保育園での体験は、新鮮でとても楽しかった。子供の頃は自然にできたことが、大人になるにつれて出来なくなる。自分自身や周囲が複雑化するにつれて、「人間関係」や「関わり」といったことに対して過剰に意識するようになり、かえって見失ってしまうからだ。現在では、子供社会にまで、人間関係の複雑化が波及し、無邪気でいられる時間が非常に短くなっている。私は、もっと無意識な関わりを大事にすべきだと思う。(当為の主題)
 そのための方法は、関わりにおける価値判断を改めることだ。最近では、自分にとっての利益の有無や関係の有無によって、物事を判断する傾向がある。私もよく学校で、試験のない科目の授業のときは普通の教科の授業より、気楽に聞き流してしまうことがある。また、世界的にますます深刻化する環境問題の危機的状況を知りながら、一向にエアコンの使用量やゴミの量が減らないのも、問題の規模の大きさと、実際に自分自身と関わっているという実感に乏しいからである。有益無益によって動く、計算高い関わりを改めるべきだ。(複数の方法Ⅰ)
 第二の方法としては、関わりが生まれやすい社会の雰囲気をつくることだ。一昔前とは違い、急速に物事が発展し変化した結果、親の育った環境と子供の育つ環境に大幅なズレが生じている。西郷隆盛は、恩人であった大久保利通などと対立し、他の藩との関わりを断つために、現在の鹿児島弁をつくった。今、若者の間で流行っている言葉も、他の世代からしてみれば、方言のようなものかもしれない。話題になった「KY」などのほかに、「JD」や「MT」など、やたらに新しい不気味な(笑)言葉が増える。内輪でしか理解されないことを多用するのは、自分たちで外部を遮断していることと同じことだ。無用な壁は取っ払うべきだ。(複数の方法Ⅱ)(歴史実例)
 確かに、自分の身を守るために人を疑うことも、ときには大切だ。しかし、人を見る度に泥棒だと思っていたら、本当の泥棒との区別がつかない。人を見たら、素直に人間だと思うことが、一番安全な策なのである。複雑な人間関係には、たびたび嫌気がさすが、そもそも、人間関係が複雑なのではなく、人間そのものが複雑なのである。人間関係に迷ったら、その悩みを人に相談するのではなく、犬に聞いてもらえば、スッキリすることだろう。新たな人間関係構築に野心を燃やすのではなく、今傍にいてくれる人に感謝すべきだ。自然な関わりは、そこからスタートするものなのだろう。(反対意見)(ことわざ)(当為の主題)(書き出しの結び)
               

   講評   nane

 毎回、よくわけのわからないカットが入っていて楽しいね(笑)。
 学校の総合の時間で子供たちと接したというのは、いい体験だった。こういう体験は、いろいろなテーマで実例として生かせそう。
 第一の方法の「関わりにおける価値判断を改めることだ」は、ちょっと難しいかなあ。段落の書き出しは、一目でわかるような言葉で書くといいよ。そのあとの説明もちょっと難しい。清書のときは、ここを易しく書き直してみよう。
 第二の方法の実例にある「西郷隆盛は、恩人であった大久保利通などと対立し、他の藩との関わりを断つために、現在の鹿児島弁をつくった」は、ちょっと無理があるかなあ(笑)。
 「人間関係が複雑なのではなく、人間そのものが複雑なのである」はいい表現になりそう。主題に合うような形で、もう一工夫。(この名言の意見が「人間関係に嫌気がさす」だから、この意見だと、もともとの主題との関連が薄くなる)
 いろいろ微妙な注意が多いけどがんばってね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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