国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   そこに鬼はいた   本因坊

「鬼はー外、福はー内。」「鬼はー外、福はー内。」そう大声で叫びながら豆をまく、鬼に向かって。雪がやみ、しーんと静まりかえった冬の寒い夜。豆まきは始まろうとしていた。
 「はい、今から節分の豆まきをやるよー。」そう、母の甲高い声が家中に響く。しかし、すぐシーンと静まりかえる。まるで、ブラックホールに吸い込まれるみたいに。部屋の中はヒーターをつけているのでとても暖かい。真夏の昼間には負けるが、それでも暖かい。丁度風呂から出てきたときのことである。その声を聞き、僕と弟は喜び、そしてついはしゃいでしまい、手袋を投げて遊び始めた。すると、またまた甲高い声が。「こら! いまからまくのは豆なの! 手袋とは誰も言っていないでしょ。廊下に出て、まくよ!」しぶしぶ廊下にでる。「ひやっ!」寒い。思っていた以上だ。一日中雪が降り、深い所では20センチも積もった日の夜だから、仕方が無いが、とにかく寒い。昼間、庭で雪合戦や雪だるま作り、かまくら作りをして遊んでいた時よりも寒く感じる。鳥肌が立つ。この寒さは、ただ寒いからだけではないだろう。風呂から出てきたばかりだから、蒸発の時に熱が奪われるということもあるが、他には何か無いのだろうか。すーっと横から冷風が吹いてくる。なんかあるのかな、と思ってチラッと横を見るとそこにいたのは鬼なのである。とても吃驚したが、何も無かったような顔をして豆まきに参加した。僕は今年年男だから鬼の役は出来ない。そこで、箱を持って袋ごと豆をまくことにした。「鬼はー内、福はー外。」あれ、なんか変だぞ。父と弟が同時にやった鬼は、怖いというより、面白くて、笑ってしまい投げることさえも困難になってくるのだ。面白くて面白くてその場にしゃがみこんでしまう。そこへ弟がひゅーんひゅーんと僕が投げた豆を投げ返してくる。顔に当たった。痛い! 鬼がどちらなのか分からなくなってくる。そんなこんなで節分は終わった。ところで、さっき鬼が僕の目に見えたと言う話を書いたが、実は本物の鬼を見るのは今回で二度目である。もう11年以上も生きてきてたったの二度だから、大変珍しいことである。その、初めて鬼を見たのは、弟が生まれた直後だった。
 母は弟と一緒に寝る。僕もその隣りに寝る。その日は、床についてもなかなか眠れず、どうすれば眠れるだろうかと考えていたのだ。とにかくその頃は眠るのに時間を費やすのならば、多少眠くたって我慢するぞ! と考え、朝はとてつもなく早く、そして、夜は床についたら余計なことはせずにすぐに寝てしまっていた。だが、どうしても眠れないのだ。こうすれば眠れるかと思い、目を開けたり閉じたりしていると、横に気配を感じた。何じゃ? と思い顔をそちらへ向けるとどうだろう。なんと、三人の鬼がそこに立っていたのである。真中に赤鬼。後ろの二人は青鬼だった。金棒を持った赤鬼は暫くこちらをにらみつけていた。僕も負けないように頑張ったが、そうしているうちに寝てしまった。その三人は、一体本当に鬼だったのだろうか。
 今の世の中、何でも具体的で実在する物の話ばかりを人々はし、毎日を過ごしている。しかし、考えてもみようじゃないか。具体的な「金」「病気」よりも〔福〕〔鬼〕の方が分かりやすいではないか。この部分が現代人には欠けている。僕は、具体的なものよりも、創造の物の方がより分かりやすいのだ、ということが分かった。

   講評   nane

 結びの感想のところは、よく考えているね。
 「具体的なものより創造のものの方が」まではいいけど、「分かりやすい」と続くと、うまく結びつかないか。むしろ、「創造のものの方が心を豊かにしてくれる」のような感じになると思うよ。
 読解マラソン集の問題は、今回はそれほど難しくはないと思ったけど、意外と点数が低かった。
 分量が多いから、あらかじめ家で読んでおいて、テストのときは再確認するぐらいの読み方で解いていけるといいよ。

 3.4週は作文検定。手書きでがんばろう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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