国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   積極的参加   かおや

 日本と欧米の学校の授業には大きな違いがある。それは、生徒が参加しているかどうかということである。日本の授業は、先生が板書と説明をして生徒は黙って聞いているというのが一般的である。それに対し、欧米の授業は生徒が実験をしたり、自分の意見を発表したりと生徒が積極的に参加するというのが一般的である。数学の授業でさえ、自分で調べたことをレポートにして発表するなど、生徒に参加の機会が与えられている。このことは、学校の授業だけでなく、政治においても言えることである。日本では、総理大臣は気が付いたら決まっているというようなことも少なくないが、アメリカでは、大統領選挙があんなにも盛り上がっていることから分かるように、国民の政治への積極的な参加が見受けられる。日本でも、一部の人がしていることを周りの人が黙って見ていたり、従うだけでなく、多くの人が参加するようにするべきである。
 そのためには、第一に大勢の参加による混乱を恐れないことだ。私は、文化祭の準備で、巨大装飾を作るグループのリーダーをしている。その巨大装飾のデザインを決める際に、グループのメンバー全員で話し合うと意見の対立が起きて、なかなか決まらないだろうと思い、一人でデザインを決めることにした。しかし、一人で考えるというのには限界があり、すぐに行き詰まってしまったので、メンバーに案を募集したところ、予想に反し、あっさりと決まってしまった。このように、大勢の参加による混乱を恐れていると、逆に行き詰まってしまうこともある。
 第二に、上に立つ人が日頃から、何もかも自分でやらないようにする必要がある。ドイツのヒトラーや旧ソ連のスターリンなど、独裁者の支配がそう長続きしないのは、自分で何もかもやろうとしたからであろう。確かに、莫大な数の民衆を統率するには、独裁者のように強力にリードしていくことができる力を持った人も必要だろう。しかし、何もかも自分一人で決めて、国民の意見を聞かないようでは、次第に国民の不満が高まり、支配体制が崩壊してしまうのは、当然のことであろう。逆に、現在民主主義が成功を収めているのは、独裁政治と違い、民衆が参加できるような体制が整えられているからである。
 確かに、多くの人が参加するより、一部の人が勝手に物事を進行させるほうが、面倒が少なくて良いかもしれない。しかし、一部の人が全てを決めているようでは、考えが偏ったり、行き詰まることもあるかもしれない。「もともと地上に、道は無い。歩く人が多くなれば、それが道になる。」と言われるように、多くの人の参加が無ければ、道は途切れ、物事は進展しないのである。また、国際化が進む現代においては、自ら積極的に参加しようとする姿勢は、非常に強く求められてくる。アメリカを始めとする、欧米諸国の決めたことにただ従っているだけでは、日本の主権は維持されないだろう。そのためにもやはり、日頃から積極的に物事に参加していく必要がある。

   講評   nane

 最初の実例が具体的。自分の体験ということがわかるように書いていくといいよ。更に、「私の経験した範囲で言えば」のように謙虚に書けば、更に説得力が増す。
 「大勢の参加による混乱を恐れない」は大事な考え方。世界はますます多様性に満ちたものになる。そのときに、一部の人が閉鎖的に決めたことを多くの人が従うというスタイルは無理になりつつある。民主主義は混乱も生み出すが、その混乱が実は、真の安定に基盤になる。これからは、すべてオープンにやることを前提にしていく必要があるね。
 反対理解の「確かに、多くの人が参加するより、一部の人が勝手に物事を進行させるほうが、面倒が少なくて良いかもしれない」は、ちょっと弱い。既にこの表現の中に、「あまりよくない」というニュアンスが入っているので、反対意見との対比がはっきりしなくなる。もっと強くいい面を書いていくといいよ。
 結びに、ひとこと名言を入れよう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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