低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日2788 今日1385 合計13527
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   ぼくは走る   キングドラゴン

「よーい。パァーン。」
少しぬかるんだグラウンドをみんないっせいに走り出した。今日は、ぼくが毎年楽しみにしている持久走大会だ。昨夜は雨が降っていたので心配したけれど、母たちの声援のなか、自分の目標達成のためにぼくは走った。
 なぜ、楽しみにしているかというと、過去四度の大会で、一つずつ順位を上げてきたからだ。二年生のときは、ちょっとドジをしてしまい一年生の頃と同じ順位だったけれど、それでも順位を下げることはなかった。過去の持久走大会の思い出は今でもはっきり覚えている。
 一年生のとき、
「よーい。パァーン。」
ぼくは、スタートでこけた。でも、すぐ起き上がり走り出した。一生懸命走った。結果は男子四十人中十位だった。母から
「こけて十位だからすごいじゃない。来年はこけないで九位を目指そうね。」
ぼくも、そう思った。
 二年生のときは、昨年より一つ順位を上げることを目標に不安と期待のなか母から渡された体操服を持って学校へ向かった。学校に着いてみんなが着替えをはじめたので、ぼくも着替えようとしたら、
「あれっ?体操服がない。」
「ガァーーーン。」
ぼくの体は、まるで氷づけのマンモスのようにコチコチに固まってしまった。今朝、母から渡された大切な体操服。体操服を着なければ走れない。いったいぼくの体操服はどこへ消えてしまったのか?体操服がないぼくは、大会を見学することになった。そうとは知らず応援にやってきた母。制服のまま校庭のはしっこに立っているぼくを見て、あわてて近づき、
「何してるの?なんで着替えてないの。なんで?。」
ぼくは、体操服が消えたことを伝えた。母はブツブツ怒っていたけれど、もう一度教室に戻りさがしてみることにした。結局無かったので母が参加できるように担任の先生にお願いしてもらい許可が下りたので制服の上着を脱いで走れることになった。急いで運動場へ向かった。一生懸命走った。スタートラインに一列に並んでいるみんなの所まであともう少し。すると、
「よーい。パァーン。」
ぼくは、教室からそのまま走ることとなった。ハプニングの中で結果は十位だった。その後の大会は九位、八位と順位を上げた。後で分かったことだが、消えた体操服は、いつも一緒に学校へ通っている友達の家の玄関前にポツンと座り、ぼくが迎えにきてくれるのを待っていたらしい。
 持久走大会の日が近づくと学校では朝の練習が始まる。八時と八時十五分の二回のうち一回に参加すればいいのだが、ぼくは毎日二回走った。走ることが好きだからだ。それに早く走れるようになりたいという気持ちもあった。学校の帰り道一人のときは、二キロの道のりを走って帰ったりもした。「まかぬ種ははえぬ」である。でも、本番の日の記録には母の応援が大きな力になったようにも思う。毎年、母の大きな声が聞こえてきた。
「○○ー。がんばれー。」
回りも気にせず声援している母を恥ずかしく思ったりもしたけれど、母の声が聞こえてくるとパワー全開、不思議と力がわいてくるのである。
今年もまた母の声が聞こえてきた。エンジン全開。気合が入ってきた。目標七位に向かって走った。結果は五位。日頃の練習の成果が結果にでるんだなーと少し分かった。そんことを思っていると運動場の外で母の笑顔が見えた。





   講評   naruko

 清書はとてもよく仕上がりましたね。さすがキングドラゴンくん! 体操服の行方についても、ユーモアたっぷりに表現しました。
 今回は初めての読解問題になるんだね。どうだったかな? これからもできるだけ毎日時間をとって、マラソン集を読んでいってくださいね。
 次回3月6日は進級試験です。目標字数、項目をクリアできるようがんばろう!
                   

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)