国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   愛情の連鎖   ちこちこ

 本質的な問題に、どんな点から気づくのか、そういうものが、どんな状況から出てくるかというと、それもその人の素質によるものだと思う。これはいろいろな要因が考えられる。小さい時からの物の考え方、家内での躾、いろいろな要素が複雑に入り組んでいるわけである。わがまま放題にして育ったのでは、そういうことを感じ、ある方向へもっていく機能、考え方が生まれてこないと思う。だから、たとえ小さなことでも、自分がどういう立場にいるかということを、早くから家庭の躾や、親の愛情で、それを感じさせるということも可能だと思う。私は、子供の成長には家庭での愛情のある躾が必要だと思う。
 その理由としては第一に、親からの愛情を受けていない子供は、他人に対して思いやりの心を持つことができないからだ。
 私のあるクラスメートの親で、父親が学者で、母親がカウンセラーという大変忙しい親がいる。その子供が以前、私の家に来た。一緒に宿題をやろうということになり、やっていたのだが、その子は大変落着きがなく、ついには私の部屋を荒らし始めた。まあ仕方ないかと思っていたのだが、食事のとき、私は唖然としてしまった。私が食べようと思い、「いただきます!」と言った。しかし、その子は無言で食べ始めた。それだけではない。食事中私がテレビを見ようとしたら、「テレビは見ちゃだめ」だとか、父がお酒のおつまみのお菓子をくれたときも、「おかしは食べちゃだめ」などと言ってきたのである。帰る時も、「ありがとうございました」などのお礼の言葉もなし。
 私はあきれてしまった。その子の家の母親は約半年間、その子に料理を作っていなかった。そのうえ、その子が少しジュースなどをこぼしただけで、「何をやっているの!出てけ!」などとヒステリックに言うのである。親からの愛情を受けていない、それは非常に子供にとってデメリットになるのである。
 第二の理由としては、親からの愛情を受けていないと、コミュニケーション能力が育たないからだ。人間関係における意識調査で、「夫婦、親子間で本音で話しているか」というのがある。「はい」と答えた人が75パーセント、「いいえ」と答えた人が19パーセントという結果だった。(読売新聞、2004年)
 夫婦間はさておき、「いいえ」と答えた人の割合に注目してほしい。19パーセントというと、一見少なく見えるが、言い換えれば、全体の2割の人々が、親と本音で離せないのだ。もし、友達ができない、先生ともうまく付き合えない、親とも本音を話せない。そんな状況になってしまったら、あなたはどうするだろうか。
 確かに、子供には素質というものがある。しかし、親の愛情は、子供にとって最も必要なものだと思う。親から子へ、そして子から他人へ、他人からまたその他人へ・・・。というように、愛情は連鎖するのだ。その愛情が、世界中に連鎖したら、どんなに良いことだろうか。
「愛情を受けたいと思う前に、他人に愛情を与えなさい。そうすれば、自然と自分に愛情が返ってくる。」
 私はそう信じている。

   講評   yasu

 ちこちこさん、今月もきれいに清書できました。
統計によると、「虐待」というものも連鎖することがあるそうです。もちろん、自分がつらい体験をしたにもかかわらず、子供には愛を持って接している人も多いのですが、「自分が愛されたことがないから愛し方がわからない」という悲しい状況になっている人もいるようですね。

 ちこちこさんの清書を読みながら、そんなことを思い出しました。良い方の「愛の連鎖」を、どんどんつなげていきたいものです。
                       

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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