創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   外との関わり   ビーバー

 最近耳に入ってくるデータでは、子供の運動神経のなさや、道具の扱い方の未熟さがよく騒がれている。私の知っている限りでは、手を使わずに跳び箱に激突することや、ボールのドリブルができる子が少ないことなどのみである。給食のメニューに対する反応を見ても、感覚の衰退と言うべきだろうか、そのようなものが見て取れる。とある小学校の4年生のクラスで給食にヒジキが出たとき、クラス全員が口々に「虫だ、虫だ!」と叫び、怯えてしまったというのである。給食に怖がるような虫など常識で考えても出さないはずなのに、それを指差して虫だと喚くのは、モノとの関わりが薄れて常識までもがなくなってしまったということを示してはいないだろうか。こんな状態では、人類の存在がいつまで持つかも杞憂にさせることになりかねない。私は、人間はもう少し外部の物や人との関わりを深く持つべきだと思う。
 そうするための第一の方法は、もっと手作りにこだわるようにすることである。私の学校では芸術の授業が選択制になっていて、私はその中の「立体」のクラスである。このクラスでは粘土の塊から一つの作品を作ることになっているが、そこではかなり専門的な道具を扱ったりする。先述した現代の子供達には到底できない代物だろう。湯呑みを自分達で作ったり、最後にはオカリナまで手作りで作ってしまう。実際私も授業で作っていて、物との関わりがかなり強いということを感じることがある。しかし選択制であるおかげでモノ作りが好きな人が集まっているせいか、失敗者はほぼ皆無である。まずは手作りを見直すことで、自分の身の回りの物を正確に扱えるようになるのである。
 その第二の方法は、人との交流を通して対話の重要さを教えるような教育をすることである。中世ヨーロッパで行なわれていた絶対王政の失敗の原因は、民衆との対話がなかったからというものなのである。考えてみれば当然、支配される側との対話があって、それをもとに政治を行なっていれば反感はなかったはずである。民衆との対話が常にある民主主義では、あまり摩擦は起きない。しかし、日本では対話を拒否するような人が最近は多い。だが、対話があってこそ人間本来の性格なのではないか。その対話が必要であるということを学ぶためにも、今の教育システムに、もと外部の者と対話をする機会を取り入れるべきなのではないか。私のいた小学校は、勉強面はダメだったが、人との対話を促進する教育だけは良かったと思う。(歴史)
 確かに、うわべだけで情報を扱ったりしていれば自分の内面には影響はないし、情報を扱えなければやっていけない世の中になってきている。「情報は単に数理的で客観的ものではなく、人間的で愛情あるものである。」このようにうわべだけで情報を扱っていては、自分にも何も得るものはないし、世間の愛を吸収することはできない。人や物との関わりは、あるだけで本来の人間の温かみを取り戻してくれるもの、決して必要ないものではないのである。人類は、この温かみを取り戻すべきなのである。ヒジキを見ても「虫だ!」と叫んではならない。

   講評   nane

 第一段落の実例が豊富。ニュースなどをよく見ているんだね。
▲「類の存在がいつまで持つかも杞憂にさせることになりかねない」はもう一工夫。
 芸術のクラスに入って、粘土で立体を作ったんだね。こういう授業は今は少なくなっているから貴重。そして、こういう授業を楽しく思える心を持ち続けることも大事。今は、つい能率を考えてペーパーテストで済ませてしまいがちだからね。
 第二の方法である人との対話も、よく考えた。やはり教育の場で、そういう対話の大切さを学ぶということなのだろうね。日本人はもともとオープンな論議が苦手なところがある。そういうのを教育の力で克服していくことがこれから必要になる。
 「情報は単に数理的で客観的ものではなく、人間的で愛情あるものである」はいい表現。文が長いとわかりにくくなるから、「情報とは、実は客観的なものではなく、主観的なものなのだ」などと書いていけばいいよ。
 結びの工夫はうまい。ヒジキが、ふだんの食卓に出てこない家庭が多かったんだろうね。

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