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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人との関わり   すいーとぽてと

 子どもたちの身体の異変は近年、いっそう顕著である。中学校と高校になると、アパシー(無気力と無感動)が教室を支配している。無表情で沈黙した生徒が教室に置物のように座っている。教室における身体の異変は、もっと日常的に深く浸透している。まず他者への無関心がある。他者への気配りがないわけではない。しかし、その気配りはすれ違っている。他者への無関心は、大人に対しては根底的な不信の感情となって現れている。大人と目と目を合わせて話をする子供が少なくなった。言葉という道具においても同様の事情もある。「文字離れ」「活字離れ」は、いまや決定的と言ってよいだろう。読むことと書くこと(リテラシー)は自己を構成し世界を構成する基本的な作業だが、その文化は急速に衰退しつつある。私たちは、もっと物や人との関わりを積極的に持つようにするべきだ。
 そのための方法として第一に、手作りの価値を見直すことだ。この間、バレンタインデーがあった。前日までは手作りのチョコレートを作ろうと思っていたが、面倒臭くなってしまい、結局作るのをやめた。包み紙がかわいらしいチョコレートがお店に売られていたので、それを袋に詰めて友達に配った。しかしほとんどの友達が、手作りのチョコレートをくれた。バレンタインは日頃の感謝の気持ちを込めて渡すものなのに、面倒臭いからといって市販のチョコレートを買ってしまい、後になって後悔した。手作りは、作っているときに無意識にも感情がこもるので、自然と温かみのあるものとなる。友達からもらったチョコレートも、食べていると温かくて、幸せな気持ちになれた。今は早くて便利なメールが普及しているが、手紙の存在も忘れてはならないと思う。手紙は自分で文字を書くので、一人一人にある字の癖がその人特有の雰囲気を表現してくれて、手作りと同様に温かみを感じる。私は手紙を書くことが好きなので、いまだに友達と手紙のやりとりをしている。手作りのものは、市販に比べて形が悪かったりと、不完全なものが多い。しかし、市販のものよりも「気持ち」という面では手作りのほうが価値のあるものだと思う。
 そのための第二の方法として、社会全体においても、もっと物や人と関われるような社会にしていくことだ。IT社会や機械が発達する前の社会では、ほとんど全てのことを人が行っていた。だからどんなに避けたくても人と関わらずには生活できないようになっていた。しかし、今の社会は沢山のことが機械でできるようになった。インターネットで買い物ができるようになり、店員と関わらなくても商品が買えるようになった。また会社に行かなくても、一人でパソコンに向かうだけでできる仕事が徐々に広まってきているそうだ。あるテレビ番組で、インターネット上に広告を載せるだけで給料をもらうことのできる仕事をしているアメリカのある男性が、
「パソコンさえあれば全てができるので、外にも出なくて良くなったし、記憶がなくなっても全てパソコンが把握していてくれている。ほとんど一日中パソコンに向かっている。」
と話していた。ここまで機械化が進むと、人間が機械を利用するのではなく、機械が人間を支配するような社会になりかねないような気がしてならない。機械に依存しない為にも、人と関わることをもっと重要視すべきだろう。
 確かに、現代社会では情報をすばやく処理することも大切だ。しかし、本当に人を支えているのは機械ではなく、人との関わりである。情報ばかりを得ていると、自分で考えることが少なくなっていくと思う。だから、私たちは心の関係をもっと大切にしていくべきだ。

   講評   kira

 すいーとぽてとちゃん、こんにちは。物と人との乖離は、科学技術の進歩とともにやってきました。道具は本来、人間らしさを保証するものでした。二足歩行し考える力を持つようになった人間の象徴として道具はあったのです。ところが、その便利さだけが進化するとそれらの物はかえって人間としての力を喪失させるものになってきたのは皮肉なことですね。
 手作りの大切さは、バレンタインチョコで実感したのですね。最近は友チョコが主流になってきて、義理なんて悲しいことは少なくなりました。届ける品物は、伝えたい心が形になったものであることを忘れたくないですね。
 そして、機械化で人間が疎外される社会をかえていくことを挙げました。アメリカ人の言葉を引用しましたが、そんな生活になっている人は意外に多いかもしれません。どこかで人に関わり物にぶつかる体験をすることが大切ですね。
 じっさい、他者との関係は計算どおりにいきませんし、他人に自分を分かってもらうことは手強い作業です。でも、それをやり遂げることで人間は信頼や安心といった得がたい絆を持てます。これらのことを知っている人間でありたいものですね。

  合格です!


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