国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。 ▶ 国語読解クラスのご案内

昨日2356 今日1181 合計10535□

　　　『人』の見方　　　くろーばー

　『私』は、どんな数値でも表すことも出来る、簡単に言えば『情報』だけでも示すことが出来る存在である。例えば、身長、体重、偏差値、成績、などなど上げればキリが無いくらいのことがいえる。だがしかし、このような情報がいくら分かったとしても、この『私』自身をよく理解できたということにはならないだろう。どんなに『私』について詳しい指数で述べたにしても、数値だけでは計り知れない性格や本心、その他色々な部分が『私』でしか有り得ない、たった一つの存在に変わりはないのだ。なにはともあれ『私』は世界で一人しかいないのである
　意見Aとして、確かに周りから見た『客観的指標』というものは必要である。私も、この間学校で行われたテストで○点を越えなかったから『次は頑張らなくては』と思い、また○点を越えていたのでとても嬉しかった。バレエでも、コンクールで出場者何人中○位など具体的な統計値から割り出された順位をはっきり示すことで、具体的な目標が生まれてくると思う。高校入試でも学校の決め手はやはり偏差値も重要なものとなってくるはずだ。偏差値を後いくつか上げたい、だがらもっと勉強時間を増やすとか、塾へ通ってみるとか、そういった方法やあるいは目標をしっかりと見定めることが出来るのである。また、努力する意欲も湧いてくる。もしここで、数値で表す成績などが全く分からないまま学校生活を送るとすれば、誰でも『自分は良い子にしてるからちょっとぐらいへまをしたところで大したことにはならないだろう。』と思い込んでしまうはずだ。そうすればそこまでの努力を水の泡、先生たちの手元にあろう成績表には最悪のデータが記録されること間違いなしだ。その様な事態から免れるためにも、客観的な捉え方はとても重要な要素になっている事は確かなのである。
　意見Bとして、しかし、それと同時に人間という生命体には他人との比較だけでは計り知れないものもある。いくら自分にとって大切なことだと思っていても、それが周りから見て必ずしも重要視されることではないと思うし、反対に世間の目で見て当たり前のことでもそれが絶対に自分の価値観として受け取れるわけではない。誰でも自分という個性を持って生まれてきているのだから。人生に豊かさを持って生きていくために、心の中で抱いている夢や希望は、他人と比べて良い・悪いをいうものではないということだ。日本人の偉大な発明家、御木本幸吉は、かの有名なミキモトの養殖真珠（真円真珠）の研究・開発・特許取得を行った人物だ。彼は、当時からすれば有り得ないと思われるような真ん丸の形をした真珠を作ってしまったと言うから、これだけでもかなりの偉業を成し遂げたことがよく分かる。他人の持つ、現実的な夢とは比べられないようなまさに『夢のような話』であっても、実現させる事だって出来るのである。（しかも、今でも真珠を測る数値は匁、その当時の日本で使っていた単位を使っているというから驚きだ。）このように、判順に他人と比べるだけで分かると思ったら大間違いなのである。
　確かに、客観的な指数から人をみることも、単に他の人との比較の中で評価される場合も、時と場合によってあるはずだ。そして、偏る事はめったにないだろう。だがしかし、一番重要な事はどちらのほうが優先なのかどうか見極める眼を育てていくことだと思う≪総合化≫。そのような判断力こそが、現代の情報化社会を切り抜けていくうえで、また自分の人生という物語を忘れずに尊重し続ける上でも、忘れてはならないことなのだ。

　　　講評　　　kira

　くろーばーさん、こんにちは。４月５日から新しい課題でがんばろうね。