創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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気持ちの確かめ いろは
(え!?引っ越すん!?マジで!?え〜!!)
私は友達が引っ越すと聞いて、心臓が飛び出そうになった。幼馴染で小さい頃からよく遊んでいた。仲は良かったが、泣き出しそうにはならなかった。多分、引っ越す当日も泣きはしないだろうと思った。泣くどころか、それまでめいいいっぱい遊ぼうと思った。離れてしまう時まで。彼女にとって最高の思い出にしようと思った。私達と過ごした日々を最高と思ってもらいたかった。だから、悲しくなんかならなかった。
私と彼女の関係は、けんかするほど仲が良いということわざにそっくりだ。会うたびけんかして、次の日には何もなかったかのように仲が良くなった。三年生の頃までは、その子を恐れていて、いつも口げんかで泣くのは私の方だった。でも、四年生になってからは、私が口げんかで言い返すようになり、泣くことは無くなった。それからは彼女ととても気が合うようになり、冗談を言ったりしていた。いままでけんかをしてきたから、その分仲が深いのだ。まるで人が変わったかのように関係が変わった。私が変わるとこんなに世界が違って見えるんだと思った。
私は二年生の頃に仲が良かった友達が転校した。周りの子で泣いてる子はいたけど、私は泣かなかった。涙が出なかった。決して彼女の事が嫌いなわけじゃなかった。でも、悲しくはなかった。彼女が死んでしまうわけでも、会えなくなるわけでもない。会う機会が減り、家が離れてしまうだけだ。会えないわけじゃない。そもそも、位置なんて関係ない。気持ちが通じ合っていれば、どんなに離れても関係はくずれない。位置なんかより心の問題だ。
人間にとって別れとは心の深まりを確かめる機会のようなものだ。別れて、それっきりになってしまったら、それ程お互いを想っていなかったということ。別れてからも、仲が良かったら、親友ということになる。別れとは神様が人間を試すために用意した試練なのかもしれない。
講評 sumomo
春は別れの季節ですね。学校でも会社でも4月から新しい年度がはじまるので、それにともなう別れや出会いがこの季節にはつきものです。別れや出会いだと自分では意識しなくても、新しい環境に身を置くことで、別れや出会いの流れの中にいるのかもしれません。
仲の良い友達が引っ越してしまったときのことをよく思い出して書けましたね。悲しいという気持ちにひたるのではなく、それまでの時間をどう過ごすのか、別れが自分たちにってどんなものなのかをしっかり考えていたことがとてもよくわかります。雰囲気にひたってたださびしい思いをつのらせるのではなく、新しい関係を築いていこうとする意思がよくつたわってきました。たとえや一般化もしっかりできています。これからもこの調子で積極的にがんばりましょうね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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