国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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長所と短所 かつこ
日本人は短所を嫌う。そしてその短所を直そうと一生懸命努力する。一方のアメリカ人など欧米諸国の人々は、長所を伸ばそうとする。どちらにしても人々は自身の向上を望む訳で、そのために長所と短所のどちらを重要とするかの違いなのだろう。では、我々は長所を伸ばすべきか短所を克服すべきか、どちらなのだろうか。
まず、短所を克服する、ということの利点は、臨機応変な人間になれるということである。弱点を克服しておけば、いざ自分が必要とされた時、どんな能力が要求されようとも、それに対応できるということになる。私はサッカーをやっているのだが、ある時急なポジション変更があって、苦手な左サイドをやらされることになった。その時、私は左足でボールを蹴ることが殆ど出来なかったため、その弱点を直そうと必死に練習をした。すると、そのうち左足でもボールを蹴れるようになり、本番の大会でレギュラーに選ばれた時も、難無くこなすことが出来た。短所を克服する、ということは同時に、対応力を高めることにもなるのだ。
しかし、長所をのばすということにも利点はある。それは、他の人に負けない自分の「武器」を作ることができるということだ。アルゼンチンのサッカー選手にメッシーという選手がいるが、彼は、幼少期から成長ホルモンの異常によって身長が低かった。しかし、身長が低いが故に俊敏な動きができ、ドリブルが得意だった。だから彼は、そのドリブルを自分の武器にし、身体のギャップを乗り越え、世界のトッププレイヤーに登りつめた。長所も、究めれば短所をそれによってカバーすることもできるのだ。
人はそれぞれに自分の短所や長所について考え、どうすべきか悩むのかもしれないが、本当に大切なのは、短所を克服すべきか長所を伸ばすべきか、という事ではなく、それを実行する過程における努力や向上心である。これが無ければ、短所か長所か、といくら論じても意味が無く、自身の向上という本来の目的は達成できない。真に価値があるのは、進歩するための方法ではなく、進歩の過程なのだ。確かに、自分の長所や短所を知りどう対処するかは重要かもしれないが、そればかりに目がいってしまい、人が進歩するためのエネルギー、とも言える努力や向上心をないがしろにしてはならない。
講評 nane
第一段落の状況実例は、具体的な体験かデータがあると説得力が出る。一般論として「アメリカ人など欧米諸国の……」と書くと、テーマによっては観念的な話になってしまうこともある。表現の上で工夫してみよう。
▲臨機応変な?
短所を克服することが対応力を高めるというのは、いい理由だね。
長所を伸ばす利点として、他人に負けない自分の「武器」と書いたのもいい理由。簡潔に的確な語彙を使っている。
総合化を向上心とまとめたところも、よく考えた。この発想をよく覚えておこう。
実例を更に面白くするために、読書に力を入れていくといいよ。
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