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　　　何はともあれ　　　ムーン

何はともあれ、クラシック音楽への道はつけられる時代になった。特定の商品を際立たせることをやめ、全般的な生活スタイルのイメージを操作しようとしはじめた企業の文化戦略にとって、それは軽薄短小の次に来る「更に新しいもの」でありうる。しかし、こうしたことがすぐにクラシック音楽の啓蒙になり、普及に繋がる、などとは早合点しないほうが良いだろう。つまり、コマーシャルのクラシック音楽が効果を上げたのは、たんにコマーシャルの世界で有り触れていないので新鮮だったというだけではなく、今日では一曲を有機的統一体として把握する構造的な聴き方のできない人、あるいは秘かな違和を抱いている人が次第に増えており、十五秒ぽっきりという異端の聴き方がその人達の心の間隙を突いた、という一面があったのではないだろうか。だから私は、クラシック音楽の一部分を１５秒で流すような軽薄短小の文化に流されるべきではない、と思う。
そのためには、第一に、物事の原点に目を向けることだ。私も、弟が前に読んでいた小説（「龍の住む谷」という題名だが出た当初は人気は余り芳しくなかった。）の遺跡発掘のシーンの挿絵を見たのをきっかけに、発掘調査に興味を持った。
第二には、学校教育などでもっとじっくりと物事を考える場を作ることだ。すぐに正解を出すことを要求する社会では、第二の田中さんや小柴さんなどのノーベル賞受賞者やアル・ゴア副大統領やリンカーン大統領やケネデイ大統領などの友好的で地球温暖化や奴隷解放宣言やアポロ計画などの政策を生み出した大統領経験者は生まれない。生まれるとしたら、クローン人間でだろう。
確かに、物事の原点に目を向けるということは大切だ。しかし、学校教育などでもっとじっくりと物事を考える場を作ることも大切である。軽薄短小とは社会の流行ではなく、社会の病弊なのだ。その社会の病弊を少しでも無くすように私達は努力しなければならないのである。

　　　講評　　　yuta

◆要約は、うまくまとめましたね。さらに２００字程度に縮める工夫もしてみてください。　『クラシック音楽の一部分を１５秒で流すような軽薄短小の文化に流されるべきではない』という当為の意見。
◆『そのためには、第一に、物事の原点に目を向けることだ』と方法１を示し、体験実例を紹介できました。解説をヒントに工夫しましたね。発掘調査に興味を持ったところから、原点に目を向けて良かったことまでくわしく書きましょう。
◆『第二には、学校教育などでもっとじっくりと物事を考える場を作ることだ』という方法２。大統領経験者の実例が個性的ですね。これらの人達が受けたであろう教育について書くか、そういう人物を作る環境についてもっとくわしく書くかするとさらに良いでしょう。
◆『確かに、物事の原点に目を向けるということは大切だ』では反対意見になりません。「確かに、時代が変われば文化も変わるのは当然だ。しかし」などという意見で。自作名言は自分で考えましょう。最後は書き出しの当為の主題をもう一度書いてしめくくります。